水不足が次第に深刻になって来ました。7月2日から香川県で第3次取水制限が始まります。製造の際に多くの水を消費する讃岐うどんの店でも心配の声が上がっています。
四国地方整備局によりますと、早明浦ダムの貯水率は30日午前10時現在で33.8%で平年を50ポイント以上下回っています。
吉野川水系水利用連絡協議会は、7月2日午前9時から香川用水への供給を50%カットする第3次取水制限を開始することを発表しました。このまま雨が降らなければ7月中旬にも早明浦ダムの貯水率がゼロになる可能性があります。
高松市にある「松下製麺所」です。創業56年のこちらのお店、過去何度も渇水を乗り越えてきましたが――。
(松下製麺所 店主/松下守さん)
「過去何回か断水の危機を乗り越えてきょうにいたっているんですけど、今年の場合は年明けから(水の)量が少なく、危機感を感じております」
この店では麺を湯がいたり、しめる作業の他に釜を洗う作業などで1日に約5トンの水を使っています。
2005年の渇水の時には約3トンを蓄えることが出来る貯水タンクを購入しました。それ以来1度も使うことなく、2021年に経年劣化のため処分してしまいました。
現状では準備できることも少なく、対応のしようがないと話します。
(松下製麺所 店主/松下守さん)
「市か水道局の方の発表によってね、対応をしていくしか、今からこうなるどうなると準備するわけにもいきませんしね。営業できればしていきたいなとは思いますけどもどうなるかは神頼み以外何でもない」
高松市川島東町にある「ふる里うどん」。店主である笠井輝さんも水不足への危機感を募らせます。
(ふる里うどん 店主/笠井輝さん)
「今年の水不足の状況って本当、史上最大クラス。相当な危機感を持っとかないかんいうのを広めたいというか、わかってほしいなという意識でしたね」
店主の笠井さんは1994年の平成の大渇水を経験しました。過去の経験を生かして少しずつ対策を進めています。
例えば麺をしめるときに使う水は通常の蛇口の水より温度が下がるよう機械を設置し、使う水の量を3分の1程度に抑えることが出来ています。
しかし、対策をしても2022年の夏は厳しい見通しです。
(ふる里うどん 店主/笠井輝さん)
「うどんって水がないとできないものなので。とにかくもう水を大切にしながら今後も続けていけることを望んでいます」