香川県の児童相談所が対応した児童虐待の件数は、2021年度は1037件と前の年からやや減ったものの、ここ5年は毎年1000件を超えています。また2021年度は虐待をした人の8割以上が「実の父親か母親」でした。
こうした中、高松市では将来お父さんお母さんになる中学生に、親子の愛情や命の尊さなどについて学んでもらう取り組みを続けています。
この体験学習は高松市が2011年から実施しているもので、この日は香東中学校の3年生65人が参加しました。
妊婦のお腹がいかに重いかを知ってもらうため、生徒たちは重さ10キロあるジャケットを着たり手で持ったりしました。
(生徒は―)
「めっちゃ重いです。(お母さんこんな重いのを持っていたんだと思うとどう?)感謝しかないです」
続いて赤ちゃんを抱っこする体験。首が座っていない小さな子どもを想定して、丁寧に抱えます。
(生徒は―)
「初めて持ったら頭が落ちそうでちょっと怖い」
「あんまり赤ちゃんに負担がかからないようにとか、いろいろ考えなきゃいけない。難しい。できることがあったら頼ってほしいとか助けに行きたいとか思う」
(荻津尚輝リポート)
「中学生たちは、オンラインで、小さなお子さんがいる親子から育児の楽しさや子どもとの接し方を学んでいます」
新型コロナの影響で2022年も直接触れ合うことは出来ませんでしたが、生徒たちは小さな子どもが手足をバタバタさせて動いたり寝たりする姿を見て、自分たちが大人になったときの姿を想像しているようでした。
(生徒は―)
「思っていたよりも(大変なことが)多くてビックリした。想像以上。大変そうだなとかいろいろな感情を持ったんだけど、今から楽しみだなと」
「14歳まで育ててくれたお母さんとかお父さんには感謝しかないと思いました。私も大人になった時とかに今日みたいな授業でお話ができたらいいな」
子育て相談などを行う、坂出市にある「まろっ子ひろば」によりますと、このような体験学習には大きな効果が見込まれると話します。
(まろっ子ひろば/太田広美 代表)
「体は小さいけど、大切なものがあるんだということを感じられるいい機会だと思う。一緒にいる時間が長ければ長いほど、自分の子どもとして受け入れやすい。何回かでも子どもを抱っこしていることで、お父さん自身の自信にはなるんじゃないかな」