若い人たちに本に親しんでもらおうと岡山県備前市に「ご近所図書館」がオープンしました。
歴史や文学など本棚に並べられたさまざまな本、その数約3000冊。備前市西片上の家の土間にオープンした「ご近所図書館 潟の家テッチャン文庫」です。
この場所は、館長を務める出井鉄二さんの実家で、出井さんが集めた本などを誰でも読んだり借りたりできます。
(潟の家テッチャン文庫/出井鉄二 館長)
「高校2年の時に読んだ本が、ドストエフスキーの『罪と罰』。これを読んで人生観変わりましたね。それが(本を集める)最初のきっかけですかね。そういうものに子どもたちがどこかで出会ってもらったらいいなという思いはあります」
備前市教育委員会では2022年7月から「まちじゅうどこでも図書館」というプロジェクトを進めています。その一環で潟の家テッチャン文庫は市教委から個人が持つ本を誰でも読めるようにして本に触れる機会を増やす「ご近所図書館」に認定されました。
「潟の家テッチャン文庫」の利用時間は中高生の下校時間に合わせ、平日の午後3時から午後5時までです。
(訪れた高校生は―)
「初めて見るものばっかり。学校が近いのでみんなで集まって勉強とか本を共有できる、それもうれしいです」
(備前市教育委員会/松畑熙一 教育長)
「備前市を『図書館のまち』にしたいと、まち中あちこちにミニ文庫があふれたような都市にしたい、その第一号」
2020年度に公共図書館が貸し出した人口1人当たりの本の数は、西粟倉村が岡山県で最も多い年間13.4冊。備前市は2.1冊で、最も少なくなっています。
(備前市教育委員会/松畑熙一 教育長)
「読書力というのは生涯にわたって非常に重要な学力の基本であると同時に本を通してもう一度新たに絆をつくっていきたい」
備前市では2025年に新しい市立図書館のオープンを予定しています。
市は大きな図書館を中心に、どこでも本に触れることが出来る「まち」を目指し、年内にご近所図書館を5カ所ほどオープンしたいとしています。