年度替わりは、環境が変わり、子どもの心に負担が掛かりやすい時期とされています。支援団体や専門家は、周囲が寄り添う大切さを訴えています。
学校や家庭以外の居場所を作って若者を支援している高松市の一般社団法人「もも」です。最近は、若者から寄せられる相談が増えているそうです。
(一般社団法人「もも」/伊澤貴大さん)
「頼れる人であったりというのが、もしかしたら少なくなってきているのかな」
「もも」に相談に来る若者は「周囲に期待されるあまりなかなか相談できない子」と、「周囲の人との関係が薄く相談相手がいない子」の大きく2つのタイプに分かれるそうです。
(一般社団法人「もも」/伊澤貴大さん)
「頼れる人がいなかったりすると、自分で解決しなければいけないということになってきて。そうなると、煮詰まってしまって、家に引きこもってしまうっていう、そういったよくない循環、悪い循環が流れていってしまう」
母子保健に詳しい香川大学医学部の鈴木裕美さんは、最近は「真面目で自分を責める」子どもが増えていると感じています。
(香川大学医学部/鈴木裕美 助教)
「自分が悪かったからこれがうまくいかないとか、たくさん期待をかけてもらっているのに自分が応えられないということで、すごく自分を責めたり、すごく否定的になったりするような、すごくうつうつするような子どもが増えているというふうに思う」
年度替わりで環境が大きく変わり、心に負担が掛かる今の時期。子どもには「周囲の期待よりも自分がどうしたいかを大切にしてほしい」と訴えます。
(香川大学医学部/鈴木裕美 助教)
「人のことを考えて、自分は譲ってしまったり我慢したりとか、言いたいことも言えない、そうではなくて自分を大事にする」
さらに「家族」には、子どもの話を聞く環境を整えてほしいと呼び掛けます。
(香川大学医学部/鈴木裕美 助教)
「話すためには、話したい人が必要なんです。親が機嫌が悪い。ちょっとイライラしているな、というのを子どもはすごく敏感に感じる。親が機嫌がいいということが大事ですし、話した時に最後まで話を聞いてくれることが重要」
(一般社団法人「もも」/伊澤貴大さん)
「『最近元気?』などの声掛けをする中で、本音に少し触れることができることもあるかなと思うので、声掛けだったり、その子に寄り添うということをやってみていただければ」