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【解説】放課後児童クラブの「待機児童」が全国的に増加 高松市では“地域差”が要因に

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 「待機児童」について解説します。待機児童といっても「保育園」ではなく、今回は学童保育・放課後児童クラブです。国のまとめでは、2022年5月時点の待機児童は日本全国で1万5000人余り、岡山市と高松市はともに160人以上の待機児童がいます。このうち高松市では、「地域ごとの差」が待機児童が発生する一つの要因となっています。

 高松市多肥上町の「学童保育 なかよしクラブ」は、NPO法人が運営する民間の放課後児童クラブです。平日は定員いっぱい、約50人の児童を受け入れています。

(学童保育 なかよしクラブ/山崎達夫 理事長)
「てんやわんやで体力勝負」

 放課後児童クラブは、保護者が仕事などで日中、家にいない場合に、小学生を預かるものです。高松市には2022年度、135の放課後児童クラブがあります。

 「なかよしクラブ」の近くにある「多肥小学校」は、2022年度の児童数が高松市で最も多い1250人でした。このエリアでは街の開発が進んでいて、児童数は2013年度と比べ250人増えています。

 高松市の地区ごとの児童数を2022年度と2013年度で比べてみると、新番丁や栗林小学校がある「都心地区」で600人以上減るなど、児童は全体的に減少傾向です。一方、多肥小学校がある中部地区は、児童が500人以上増えました。また「西部南地区」も、円座小学校を含めて5校中3校で児童数が増えました。

 地区別の待機児童も「都心」はゼロですが、児童が増えている中部や西部南を中心に発生しています。

 松市多肥上町の「なかよしクラブ」は、2022年10月から新年度分の申し込みを受け付けましたが、1カ月で満員になったということです。

(学童保育 なかよしクラブ/山崎達夫 理事長)
「今の時点で10人ほどは待機児童は出ています。これ以上受け入れるのは難しい」

 待機児童について高松市は、児童数の変化に整備が追い付いていないことが要因の一つだとしています。

(高松市 子育て支援課/久保慶浩 課長補佐)
「適切な場所に適切な量の配置が出来ているとは、いまのところは言えないのかなと考えている」

 市は2015年度に「子ども・子育て支援推進計画」を策定し、保育所や放課後児童クラブの待機児童解消に取り組んできました。

 認可外も含めた保育施設は、2016年4月には96カ所でしたが、2022年4月には152カ所に増えるなど、受け入れ体制が整備されました。結果、保育所の待機児童は、2016年度には321人いましたが、2022年度は19人と大幅に減りました。

 放課後児童クラブも、2015年度から30カ所以上増えましたが、保育所の待機児童ほど大幅な減少はみられません。

 高松市は、放課後児童クラブを新たに6カ所整備するために、新年度当初予算案に約11億円を盛り込みました。新しい放課後児童クラブは、特に待機児童が多い中部と西部南地区に整備予定です。

 一方……。

(高松市 子育て支援課/久保慶浩 課長補佐)
「中々、6つ増やすだけでゼロというのは難しいのかなと考えている。いま待機児童が増えているところに効果的に増やしていくというのが、打てる最善手なのかな」

 高松市の放課後児童クラブの待機児童は、2020年度、2021年度と減っていましたが、2022年度は3年ぶりに増加しました。これは全国でも同じような傾向です。

 新型コロナによって、在宅勤務が増えたり、利用を控えたりした影響で、一時的に減少したものの、徐々に需要が戻ってきためだとみられています。また高松市は、「潜在的な需要」がまだあるとみています。

(高松市 子育て支援課/久保慶浩 課長補佐)
「放課後児童クラブが増えた時に、『待機してまでは入会しなくてもいいかな』って思っていた家庭の保護者が、『新しくできるなら入りたい』ということで、そちらに入会するケースはあると思います。その場合は、入会できている児童数は増えているが、待機児童が減っているということにはならない」

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