島民の救急体制を強化します。海の上で救命処置ができる船「救急艇」が完成し、岡山県笠岡市で就航式が行われました。
(記者リポート)
「処置室の中に入ると自動の胸骨圧迫装置など救急車と変わらない設備が整っています」
笠岡市で初めて導入された救急艇「みたけ」。処置室の床下には、揺れを抑える装置を搭載していて、海の上でも安定した救命処置ができます。
現在、笠岡市の島で救急搬送を行う場合、通報を受けた消防が民間の海上タクシーを手配し、患者を運んでいます。そのため、船に乗っている間は救命処置を行うことができず、時間に無駄が出ていました。
救急艇「みたけ」は、笠岡市の港に停泊し通報を受け次第、救急救命士らを乗せて出動します。港から一番遠い六島でも、約30分で到着できるということです。
高齢化が進む笠岡諸島での救急体制の強化が期待されています。
(笠岡市/小林嘉文 市長)
「年ごとに(島での)救急事案の発生件数も増えていますし、心配な状況が続いていたけど、島民の皆さんの安心につながるということで、われわれもしっかり活用して救命率の向上に努めたい」
救急艇「みたけ」は訓練を経て、7月から運用が始まる予定です。