4月23日投開票の高松市長選挙は、5回目の当選を目指す現職と元会社経営者の新人による一騎打ちとなりました。「4期16年」の市政運営の評価などが争点になっています。
(無所属・新人/灘波博司 候補)
「16年間同じ人が戦い(選挙戦)なくやってくると、組織ってどうしてもマンネリ化し、硬直化し、活力は失われていきます」
新人で元自動車販売会社社長の灘波博司さん(63)は16年間、市長が代わっていない現状に危機感を覚えて立候補しました。
経営者の視点から財政の見直しや政策実行のスピードアップを掲げています。
(無所属・現職/大西秀人 候補)
「総じて高松市は着実な進歩を遂げているものと思います。この大きな流れを止めてはならない。ちゃんと高松をいい方向に引っ張っていく」
一方、総務省出身で5期目を目指す現職の大西秀人さん(63)は「実績」を強調。これまで進めてきた街づくりの集大成に取り組むことや、新型コロナ禍での市政運営の経験から経済の立て直しの継続などを訴えています。
刷新か、継続か……。選挙では「多選」の是非も問われます。
(街の人は―)
40代「今までのこともしっかり理解してくださっている方なのでより良くというのは、期待できると思います」
60代「(この16年間で)住みやすさは変わらない。(市長の在任期間が)あまり長いとマンネリ化する」
50代「(Q.市長の多選について)難しいですね。イエスともノーとも」
「公共施設の整備」も市政評価のポイントに
大西市政を評価する一つのポイントが「公共施設の整備」です。この16年間に市立みんなの病院や屋島レクザムフィールド、防災合同庁舎など大型の施設が相次いで整備されました。
2022年8月にオープンした屋島山上交流拠点施設「やしまーる」。観光地・屋島のにぎわい作りに期待がかかる一方、当初6億円を見込んでいた建設費は最終的に16億円にふくらみました。
こうした税金の使い方を批判する灘波さん。塩江町で行った演説では、道の駅や温浴施設を合わせた新たな施設の計画を再検討する考えを示しました。
(無所属・新人/灘波博司 候補)
「結局自分の財布じゃないからできるんです。こんなお金の使い方をしていいんでしょうか。企業経営をやっていた中では考えもつきません」
これに対し、大西さんはただやみくもに公共施設を整備しているわけではなく、必要なものを精査した上で計画的に施設の更新などを進めていると主張します。
(無所属・現職/大西秀人 候補)
「箱物自体が良い悪いではなくて、いかにそういう施設を有効に活用できるかどうかが一番大事だと思います」
8年ぶりの選挙 戦い方は対照的
高松市では大西さんが初当選した2007年以降、4回の市長選のうち3回が「無投票」。
8年ぶりとなる今回、双方の戦い方は対照的です。
大西さんは、自民党、公明党、連合香川の推薦を受けているほか、市議会の複数の会派と政策協定を結んでいます。告示日の出陣式には地元選出の国会議員や知事らが応援に駆け付けました。
(無所属・現職/大西秀人 候補)
「1対1の選挙ですので、厳しい選挙にはなろうかと思います。自分自身として何をやりたいか、それを市民に訴えていきながら支持を広げていく」
一方の灘波さんは特定の政党や団体からの支持は受けず、「草の根」的な選挙戦を展開。出陣式には趣味のトライアスロン仲間が集まり、街頭では、灘波さんを支持する大学生が応援演説も行いました。
(無所属・新人/灘波博司 候補)
「私ができるだけ何人の人に会えるかという活動、今までの継続をコツコツやっていくだけだと思う」
今後4年間のかじ取り役を決める高松市長選挙の投開票は4月23日です。