新型コロナの影響で、宴会の席で歌や踊りを披露する伝統芸能も打撃を受けています。そんな中、岡山市出身の女性がお座敷文化を守ろうと、小さなライブハウスをオープンしました。
東京都新宿区にある路地裏のビル。4月にオープンしたお座敷ライブハウス「荒木町舞台 津の守」。
8畳の舞台で芸者が三味線に合わせて踊り、宴会に花を添えます。江戸時代から続く「お座敷遊び」です。
30人ほどの観客が入る「お座敷ライブハウス」をオープンさせたのは、岡山市出身で元芸者の塩見ふみ枝さんです。
芸者たちが活躍する舞台や料亭は、老朽化などで減少している上、新型コロナが追い打ちをかけました。
(お座敷ライブハウス 津の守/塩見ふみ枝さん)
「いろんな小さな劇場も、大きな劇場も、邦楽(伝統芸能)専用の劇場が、みんなクローズしていってしまう。身近で楽しんでもらうことが一番芸事を残す方法の1つじゃないかなと思いまして」
開業資金の一部はクラウドファンディングで調達し、目標額を超える1200万円以上が集まりました。
(芸者 香名恵さん)
「出させていただく場所が増えるってことは本当にうれしい」
(幇間 八好さん)
「見に来てくださる方がいて初めて仕事になって、またその弟子が来て継承していくものなんで。夢ありますね、ありがたいですよ」
「お座敷ライブハウス」では、さまざまな伝統芸能が披露されるほか、稽古場や体験会の場としても使われます。
(お座敷ライブハウス 津の守/塩見ふみ枝さん)
「お座敷文化を『どうしても残しましょう、さあ皆さん』という感じじゃなくて、とにかく楽しいので一緒に楽しんでください、楽しむ方が一人でも増えてくださったら残っていくので、つまらないこと残さないでしょ」