小中学生にネット環境から離れてスマホやゲームの利用習慣を見直してもらおうという「オフラインキャンプ」を香川県が2023年も開きました。
キャンプ4日目の8月9日。この日の昼食は、自分たちで肉や野菜を焼いて食べるバーベキュー。
5泊6日、スマホやゲーム機などの持ち込みは一切禁止ですが……。
(小学5年)
「ゲームをやっていなくてもゲームをやっているときより楽しい気分になった」
(中学3年)
「寝る前にみんなと一緒に話をしたり、自由に遊ぶのがめっちゃ楽しいです」
「オフラインキャンプ」は、香川県がネット・ゲーム依存対策事業として2022年度から行っているもので、2023年度は小学5年から中学3年の男女あわせて23人が参加しました。
ゲームやSNS、動画の視聴などに「ハマりすぎている」児童や生徒たちです。
(小5女子の母親)
「(SNSなど)見るときには見てもいいけど時間がきたらやめましょうとか、メリハリがつくような生活になったらいいかなと」
(中1男子の母親)
「(5泊6日のキャンプで)ネット環境から離れたことで、ネットより他に関心を持ってくれることに期待しています」
(記者リポート)
「キャンプとは言っても屋外の活動ばかりではありません。期間中、毎日行われているのが心理プログラム。ネットやゲームとどううまく付き合うかを学びます」
県から委託を受けてキャンプを運営する高松市の三光病院のスタッフ、メンター役の大学生とともに、この日はネットやゲームをしすぎて、心や体、生活にどんな影響が出ているのかを振り返りました。
(影響を振り返る参加者)
「学校行くのが面倒くさいなとかゲームしたいなとなるから、学校に遅刻してしまうときがあるかな」
「家族からの注意が増えて家族の仲が悪くなったりけんかが増えました」
2022年度は4泊5日に活動を詰め込みすぎたという反省を生かし、2023年度は1泊増やしてスケジュールに余裕を持たせました。
さまざまなレクリエーションや天体観測、肝だめしなどを通じ、普段感じることが少ない充実感を得てもらうのが狙いです。
Q.キャンプ後の生活は?
(中学1年)
「生活リズムを崩さずに自分のできることを全力でやることができればいいと思います」
(中学3年)
「ゲームじゃなくて他の趣味を見つけてそれに取り組んだりするんじゃないかなと思います」
今回のキャンプには2022年度から2年連続での参加者が2人いました。
(2年連続で参加/小学6年)
「前のキャンプ(のとき)よりはゲームとかの使用量は減ったけど、でも、まだイライラすることとか、ゲームを通じてイライラすることがあったからもう1回参加してみようと」
キャンプでは、保護者が家庭で子どもたちにどう関わるべきなのかを学ぶ講習も行われました。
(キャンプを運営する三光病院/海野順 院長)
「キャンプに参加して終わりではなくて、お母さんやお父さん自身もちょっと勉強してみようかなという希望があれば対応するようにしているんです。一時的な効果に終わらず、この子たちが将来に向かって元気に活躍できるようになるためにはどんな形の支援がいいのかというのを本当に考えている最中です」
香川県は2023年11月にフォローアップキャンプを開き、参加した児童生徒の生活が3カ月経ってどのように変わったかもチェックします。