岡山県吉備中央町の浄水場の水から、国の暫定目標値を大幅に上回る有機フッ素化合物が検出され、使用が制限されている問題で、浄水場の復旧は11月末になる見通しであることが分かりました。
円城浄水場では、2022年10月の調査で、国の暫定目標値の28倍の有機フッ素化合物が検出されました。2021年、2020年の調査でも目標値を大幅に上回っていました。原因はわかっていません。
吉備中央町は飲料水としての使用を制限し、この浄水場を利用している522世帯に、10月16日から給水タンクやペットボトルで水を配っています。
その後、円城浄水場の水源である「河平ダム」から、目標値の24倍となる1Lあたり1200ngの有機フッ素化合物が検出されたことなどから、吉備中央町は水源を上流の「日山ダム」に変更しました。
16日に行った「日山ダム」の調査結果は1Lあたり5ng未満でした。
また浄水場に、給水車の水を注水して薄めるなどの対策を行っています。
円城浄水場の有機フッ素化合物の濃度は、10月14日には1Lあたり1100ng(目標値の22倍)でしたが、23日には230ng(目標値の4.6倍)に下がったということです。
今後は浄水場の沈殿物を除去したり、活性炭などを入れ替えたりして、11月末に浄水場が使えるようになることを目指すとしています。
有機フッ素化合物は、コレステロール値の上昇や発がんとの関連が報告されていますが、町によりますと、今のところ健康被害の報告はないということです。