防災の話題を伝える「こつこつ防災」です。企業が持っている支援物資を地図上に表示して共有することで、災害時必要な物資を避難所に届ける取り組みが香川県で進められています。
(記者リポート)
「製作中の地図『災害時ココイコMAP』です。地図上にあるハートの丸は、登録している企業や事業所の所在地です。さらに、災害時に提供できる物資も示されていて、紙おむつや哺乳瓶などが記載されています」
「災害時ココイコMAP」は、参加している香川県内の企業や団体のほか、自主防災組織や消防団が見ることができます。
どの企業がどんな支援物資を持っているか確認することができ、地震などの災害が起きた場合、近くの避難所に必要な物資を届けることができます。
地図をつくっているのは、企業の経営者らでつくる「香川県中小企業家同友会」の女性メンバー約10人です。
災害が起きたときに、自分の会社が持っている資材で地域に貢献できたらと2023年4月にプロジェクトを立ち上げました。現在は香川県の企業など20団体が参加しています。
高松市松縄町の日本料理店「大渚亭 別館」です。災害時には普段使っている鍋や、やかんのほかに、固形燃料を提供しようと考えています。
(大渚亭/洲崎文 副社長)
「温かいものが食べたくなるじゃないですか。娘が2人いるんですけど、この子たちが学校へ行って帰るときに災害が起こったらどうなるんだろう。企業同士が子どもたちを守ってくれたら、本当に働いている親は安心だと思うので」
プロジェクトへの参加をきっかけに、備蓄を見直した企業もあります。
高松市檀紙町にある調剤薬局の倉庫には、300回分の簡易トイレが備蓄されています。災害時、地域の役に立てればと備蓄を始めたそうです。
(橋本薬局/橋本亜紀 社長)
「非常用のトイレを使っていただけるように、非常にたくさん備蓄しています。企業は地域の人に支えられているものでもありますし、私たちもできれば地域を助けられるような企業でありたいと思いますので」
多くの自治体は非常食や水、毛布など支援物資の備蓄倉庫を持っていますが、数などには限りがあります。
企業などが持つ資源をシェアする「災害時ココイコMAP」。説明会を開くなどして、2025年5月までに香川県内500社の参加を目標に取りん組んでいます。
(プロジェクトリーダー 長谷ぶどう園/長谷真里 代表)
「小さなことでも大丈夫なので(企業や事業所には)『協力できる私たちがいますよって』いうのを知ってもらえたら」