防災の話題を伝える「こつこつ防災」です。国土交通省では河川の氾濫などによる被害を減らそうと、2021年から「流域治水プロジェクト」を進めています。どのような取り組みなんでしょう。
国土交通省岡山河川事務所で「流域治水プロジェクト」について伺いました。
(国土交通省 岡山河川事務所 流域治水課/髙橋亮丞 課長)
「住民の皆さまであったりとか企業や行政、流域のあらゆる関係者が協働して行うことを流域治水と言います。激甚化してきている水害に備えるために流域に住む皆さんでできることをやっていこうというものが、流域治水プロジェクトでございます」
「流域治水プロジェクト」は3月、2.0に更新されました。その理由とは?
(国土交通省 岡山河川事務所 流域治水課/髙橋亮丞 課長)
「2040年ぐらいに2℃ぐらい平均気温が上がるというような試算結果が予測されていて、雨の量が大体1.1倍になると、で川の中に流れる水の量が1.2倍になること、さらに洪水発生頻度も2倍になるというところで、この黒い線のような目標を掲げて整備して来たんですけども、気候変動によって赤色の線のように、雨の量が増えてより危険になってくるこの差分を踏まえたものが、今回の流域治水プロジェクト2.0でございます」
気候変動の影響はどのくらいあるんでしょうか?
(国土交通省 岡山河川事務所 流域治水課/髙橋亮丞 課長)
「旭川の例でございますけども、気候変動考慮前っていうものはですね、浸水想定っていうのが約5万世帯ということで試算していたところですけども、1.1倍の雨が降るということになりますと浸水世帯数が6万1千世帯、やはり増えてしまうというところでございまして」
では、水害リスクを減らす具体的な対応とは?
(国土交通省 岡山河川事務所 流域治水課/髙橋亮丞 課長)
「岡山市さんで農業用の用水路、これの水位を雨の時に減らそうという取り組みでして、晴れの日はこれぐらい水位があるところでございますけども、雨が降りそうな時には50cm程度、事前に水路の水を外に出してしまうと、そうすることで(用水路に)より水をためられるようにするという取り組みでございます」
「さらに上流の赤磐市さんの方でされている取り組みでございますけども、農業用水のため池を使ったものでございます。これも大雨の時に水をためるということを目的に、雨が降る前に(水を)流しておいてできるだけためるようにすると」
岡山河川事務所の管内では160件を超える取り組みが進められていて、詳しい内容はホームページで見ることができます。
そして髙橋さんは、流域の住民にも水害に対して事前準備をしてほしいと話します。
(国土交通省 岡山河川事務所 流域治水課/髙橋亮丞 課長)
「(水害は)自分事になりづらいんですけども流域治水という言葉を知っていただくというのもひとつですし、『マイ・タイムライン』を皆さん作っていただければなと思っています、でこれは何かと言いますと、雨の情報であったりとか水位の情報があった時に避難までの時系列をまとめたもの、こうまとめたものをしっかり作っていただくということが事前準備になるかなと思います」