国立がん研究センターは、適応外薬や未承認薬の使用を希望する小児・AYA(思春期・若年)世代の患者を対象にしたPARTNER試験を、2024年11月から岡山大学病院で開始したと発表しました。
PARTNER試験は、患者申出療養制度を利用して様々な医薬品の投与が可能になる医師主導の臨床研究です。国立がん研究センター、北海道大学病院、九州大学病院に続き、岡山大学病院が全国で4カ所目の実施施設です。
研究センターと岡山大学によると、小児がんに対して日本国内で承認されている医薬品は欧米に比べて少なく、希望する治療を受けられないケースも多いということです。PARTNER試験では、先進治療を受けたい患者・家族の申し出をもとに臨床研究を立案し、国の承認を受けた上で、未承認・適応外の薬を投与することができます。
研究の趣旨に賛同した企業から医薬品が無償提供され、研究運営のための費用は研究費でまかなうため、患者の負担は入院費など保険診療の範囲となります。
岡山大学病院長で小児・AYAがん総合センターの前田嘉信センター長は「岡山大学病院はがんゲノム中核拠点病院であり臨床研究中核病院です。豊富なリソースを小児・AYAがん分野に活用することで、西日本地方の患者さんたちに新規医薬品を届けられる体制を築きたい」と話しています。