次世代エネルギーとして注目される「水素」。その量産化に取り組んでいる高松市のガス製造会社が、水素を使った調理の体験会を開きました。
水素と空気中の酸素が結合し、しっとりと焼き上げる水素調理。
(野口真菜リポート)
「食感がふわふわです! 外はカリッとしていますが、中はジューシーでじゅわっと脂が広がります」
体験会を開いたのは産業用や医療用などのガスを製造する高松市の高松帝酸です。
水素調理を手掛ける東京の企業とパートナーシップを結んでいて、将来的な水素ガスの活用方法を感じてもらおうと体験会を開きました。
高松帝酸では2023年から産業技術総合研究所と共同で、高圧水素ガスの製造・技術開発に取り組んでいます。
水素は貯蔵や輸送の取り扱いが難しいため、家畜飼料の添加剤や凍結防止剤などに用いられる有機物「ギ酸」を原料にし、触媒を加えてかくはんすることで高圧水素ガスと炭酸ガスを製造します。
2024年11月には、新たに開発した装置によって連続でガスを製造することに成功しました。一般的な方法よりもコストやエネルギーを抑えて生産できるということです。
(高松帝酸/太田貴也 社長)
「香川初のさぬき水素の製造を2030年ごろまでに実現できるように取り組んでいきたい」
今後、発生した水素と炭酸ガスを分離する装置を造るなど量産化を進め、水素自動車の燃料や飲食店の調理用などとして高圧水素ガスを商品化していく方針です。