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世界遺産の「競馬」の神事で美作国(現津山市)の馬が疾走 必ず勝つ特別な伝統とは 京都・上賀茂神社

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 騎手(乗尻・のりじり)が雄たけびを上げ、馬のひづめが地響きをたてる。訪れた人たちは迫力に圧倒されて一瞬、言葉を失ったあと、静寂は拍手喝采に変わった。

 5日5日、京都市の世界遺産・上賀茂神社で、平安時代から続く毎年恒例の「賀茂競馬(かもくらべうま)」の神事が行われ、かつて神社の有力な荘園だったとされる現在の津山市、美作国倭文庄(しとりのしょう)の馬が今年も迫力ある走りを披露した。

 神事は、上賀茂神社のかつての荘園から馬が1頭ずつ献上され、荘園の名を冠して走るというもの。通常は右方(うかた)と左方(さかた)の2頭が同時にスタートして直線を走り、真剣勝負で速さを競う。

 しかし参加馬の中には特別な馬がいる。美作国倭文庄の馬は、神事の中で格式の高い馬とされ、特別な装飾を施して最初に走り、しかも必ず勝つしきたりになっている。騎手(乗尻)にとって、倭文庄の馬に乗ることは大変な名誉であり、心技体を兼ね備えた証だとされている。

 加茂競馬は1093年の堀河天皇の代に始まり、五穀豊穣などを祈願する祭で「徒然草」にも登場する。

 かつての美作国(津山)にロマンを感じずにはいられない。

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