老朽化のため解体が決まった旧香川県立体育館について、建築家で作る団体が30日、もう一度時間をかけて検討するよう教育長に要望しました。
全国の建築家約5000人が加盟する、公益社団法人日本建築家協会の四国支部のメンバー3人が香川県教育委員会を訪れ、淀谷教育長に要望書を手渡しました。
世界的な建築家、丹下健三が設計し、「船の体育館」として親しまれた旧香川県立体育館。老朽化のため2014年に閉館しました。
香川県は有効な利活用策がないことや安全面を考慮して解体を決め、解体工事費約10億円などを盛り込んだ予算案が2025年2月県議会で可決しました。2025年8月ごろに解体工事の入札を行う予定です。
建築家協会は、「船の体育館は将来世界遺産になる可能性もある貴重な建築物で、観光資源として生かせる」などと訴える冊子を作成しています。
「保存再生に関わる建築家がいつでも相談を受ける準備がある」として解体の延期と再度、時間をかけての検討を求めました。
これに対し、教育長は……
(香川県教育委員会/淀谷圭三郎 教育長)
「これはしっかりと思いといいますか、ご意見は要望として受け止めていきたいと思っておりますが、令和6年度(2024年度)予算、7年度(2025年度)予算、(県議会に)2回の議決をいただいて進めているところでございますので、私としては発表したとおりのスケジュールで進めさせていただきたいなと思ってます」
(日本建築家協会四国支部/伊月善彦 支部長)
「(建物は)まだ現存してますから、諦めちゃいけないという気持ちで、悪あがきをずっと続けていくのかなと思ってます。(Q.残すために何が必要だと思われますか?)やっぱり市民の声じゃないですか。香川県民の声が大きくなると変わっていく。こういうので変わっていったことも(全国では)これまでもいろいろありますから」
(日本建築家協会[高松市の建築家]/平野祐一さん)
「壊してしまうと、文化財、芸術作品というのは復活できないので。県民一人一人に考えていただきたい」