岡山県が大学などと連携して桃の収穫までの日数がひと目で分かるシステムを開発しました。システムの実演会が8日、赤磐市で行われました。
赤磐市の岡山県農林水産総合センターで行われた実演会には、桃の生産者ら約70人が参加しました。この中で岡山県の担当者が新たに開発したシステムについて説明しました。
(宮川周三リポート)
「こちらが新しいシステムです。まずこのスマートグラスをかけます。
こちらのセンサーで桃を触ると硬さが測定できるんです。その後、こちらのスマートグラスには桃の収穫までの日数が表示されます」
AR、拡張現実の技術を使った「スマートグラス」です。桃に袋がかかっていても収穫までの日数が分かります。
(宮川周三リポート)
「私の目にはたくさんの数字が映っています。10、6、8、9、1つの木でも数字がたくさんあります。この数字が0になったときに収穫をすればいいということで私でも簡単に分かります」
岡山県によると、生産者は桃の収穫時期を色の抜け具合などで判断していて、新規就農者には見極めが難しいそうです。
収穫に適した期間は2~3日しかなく、そこを逃すと品質が落ちます。収穫に最適なタイミングかどうか生産者は数日にわたって確認することも多く、そのたびに袋を開けるため、負担になっているそうです。
新しいシステムを使うと従来と比べて熟れ具合の把握から収穫までの作業時間が25%短縮できた他、熟れ過ぎなどで出荷できない割合が22.8%から7.9%に減ったということです。生産者の収益の増加につながることが期待されています。
(生産者は―)
「取るのはやっぱり僕らある程度分かる人間しか取れないんですけど、別に僕が朝早くから1人で頑張って取らなくても従業員の子にみんなにスマートグラスを渡しておけば全員で取れるのですごく速くなると思います。作業効率が」
「収穫が一番重要な仕事になるので、一番最適な時に取れるっていうのが魅力ですね」
(岡山県農林水産総合センター/丸山安恒 センター長)
「このシステムを使うことで桃の栽培の面積を増やして、しっかりおいしい岡山の白桃の生産量を増やしていきたいというふうに考えています」