参議院選挙・香川選挙区は、3期目を目指した自民党現職の三宅さんが敗れる結果になりました。裏金問題や物価高に対する国民の不満という、全国で見られた「自民党への逆風」に加え、香川選挙区では2つのポイントがあったと思います。
(自民・現/三宅伸吾さん[63]・11日)
「『三宅さんはええけど、党がね』と言われます。党に逆風が吹いていても、自分がやりたいことをしっかりと皆さまにお伝えする」
自民党への逆風の中、迎えた3回目の選挙戦、三宅伸吾さんの応援で閣僚が続々と入りました。
(自民党/小泉進次郎 農水大臣・7日)
「逆転の勝利、この香川のうどんのように、コシの強い、粘り腰で」
選挙戦終盤の7月15日には石破総理も駆け付けました。
(自民党総裁/石破茂 総理大臣)
「今回が最も厳しい。三宅を頼む! それだけ」
(自民・現/三宅伸吾さん[63]・16日)
「どうぞ三たび国政に送ってください! なにとぞよろしくお願いします!!!」
三宅さんが苦戦したポイント、一つ目は「玉木パワー」です。
(国民民主党/玉木雄一郎 代表・16日)
「香川が変われば日本が変わりますから! ぜひとも、そのためにも(野党候補の)18年ぶりの勝利を」
国民民主党・玉木雄一郎代表のお膝元、香川から立候補した新人の原田秀一さん。自転車での街宣は、2009年の衆院選から香川2区で6回連続当選してきた玉木さんの活動にあやかったものです。
「玉木党」と呼ばれる強い支持層に支えられ、「手取りを増やす」というキャッチコピーを掲げて2024年の衆院選で議席を4倍に伸ばした党の勢いも加わりました。
全国の激戦区の応援でなかなか地元入りできない玉木さんは、原田さんの演説会場とオンラインでつないで支持を訴えました。
(国民・新/原田秀一さん[52]・6日)
「玉木代表のお膝元であるので、そこの国民民主党への非常に高い信頼というところを活用させていただいて選挙はしています」
また2025年4月の丸亀市議選で1位、2位当選するなど前回の参院選以降、着実に人数を増やしてきた地方議員もフル稼働で選挙戦を支えました。
三宅さん苦戦のもう一つのポイント、それは「保守票の行方」です。
三宅さんは「選択的夫婦別姓」制度を早期に実現する議員連盟の発起人の一人です。しかし保守層への配慮から今回の選挙戦ではその主張を「封印」。報道各社のアンケート調査で制度への賛否を「無回答」としました。
(自民・現/三宅伸吾さん[63]・11日)
「僕の考え、それから党の考え有権者の考え、さまざまな声がある中で総合判断をして、回答をしておりません」
香川選挙区では、野党・第一党の立憲民主党が独自候補の擁立を断念。小川幹事長は、玉木代表に「支援要請があれば動きやすい」と伝えていましたが、国民民主党側から要請はなし。「保守票」が離れることへの懸念があったとみられます。
(立憲民主党/小川淳也 幹事長・7日)
「推薦とか支持とかいう明確な党議決定ができればよりシンプルでしたけど、先方(国民民主党)は独自の戦いをしたいという意向が内々に伝わってきてましたのでそれを尊重したということです」
さらに今回の選挙戦に影響を及ぼしたのが保守色が強い「参政党」の存在です。7月14日に神谷代表が応援に訪れた際には、JR高松駅前に人だかり。
今回が3度目の国政選挙挑戦で、地道に街頭活動を続けてきた小林直美さん(51)が感極まる場面もありました。