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空き家の解体費用は?補助金制度はある? リサイクル企業と香川県に聞く「空き家と解体」の疑問【みんなのハテナ】

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 視聴者の皆さんの疑問に答える「みんなのハテナ」。今回のテーマは「空き家と解体」です。
 総務省が5年ごとに行っている「住宅・土地統計調査」によりますと、2023年10月1日時点で全国の空き家は約900万2000軒で30年前の2倍に増えています。
 また、総住宅数に占める空き家の割合、空き家率は全国が13.8%で「過去最高」となりました。地方ほど空き家率が高く、岡山県は16.5%、香川県は18.6%でした。
 この空き家と解体について、東かがわ市の総合リサイクル企業に疑問に答えてもらいました。

 香川県の東の端に位置する東かがわ市。市全域が過疎地域に指定されています。人口減少と高齢化などで空き家が増えていて、2023年10月時点の空き家率は21.4%です。

(記者リポート)
「東かがわ市川股にある築80年の木造住宅の解体工事現場です。重機を使って屋根を取り壊しています。水をかけながら作業していますが、土ぼこりが巻き上がるのを抑えるためにこういった作業を行っている」

 この家は10数年前から人が住んでおらず、瓦が落ちたり壁が崩れたりしたため、解体することになりました。

 この工事をしている東かがわ市の有限会社「マサヤ」は1967年に創業し、空き家など年間約40件の解体工事を行っています。

(有限会社マサヤ/津守稔 解体総責任者)
「お客様にとっては一生に一度あるかないかと思うので極力お客様に寄り添った工事、希望に合った工事を心掛けている」

空き家の解体費用は?(倉敷市 あめちゃん 31歳)

(有限会社マサヤ/昌山央幸 社長)
「弊社の場合、坪(約3.3平方メートル)単価4万円~4万5000円、解体費用だけなので付随するものは含んでいない。例えば仮設、周りを囲む費用とか最後にきれいな土で仕上げてくれとなった場合は別途費用になる」

 住宅の規模や密集具合、重機が入るスペースの有無など立地条件で変わりますが、マサヤが扱う解体工事費用は一般的な木造2階建ての場合、総額約150~250万円が多いそうです。

 解体工事では瓦や木材、壁材、コンクリートなど大量の廃棄物が発生します。今回、取材した空き家の場合、約40~50tの廃棄物が出るそうです。

解体後の廃棄物の処分は?(高松市 とん太 68歳)

(有限会社マサヤ/昌山央幸 社長)
「木材は再生利用か再利用というリサイクルをするし、金属類ももともと(リサイクルの)優等生なのでできる限りは再生、再利用する」

 マサヤでは回収した木材をチップ化し、再生材の原料や燃料として再利用しています。金属類や廃家電などもリサイクルできるものを分別し、製鉄メーカーなどに渡しています。

荷物はどうするの?(新見市 でかぱんだ 37歳)

(記者リポート)
「こちらの空き家は家具や生活用品を置いた状態で解体工事を依頼しています」

(有限会社マサヤ/昌山央幸 社長)
「ご両親が(住んで)いたが事情があって空いた。生活感そのままの場合もある。費用を安くするのであればボリュームの問題、物が多くなると処分費が高くなる。廃棄する物の量による」

 2023年10月時点の香川県の空き家率は18.6%で、「約5軒に1軒」が空き家となっています。空き家率が上がり続けていますが、その理由としてこんな疑問が。

空き家の方が固定資産税が安い?(香川・宇多津町 くく81 66歳)

 香川県住宅課に聞きました。

(香川県住宅課/豊嶋泰行 副課長)
「住宅の建っている土地は固定資産税が住宅用地特例でその面積に応じて3分の1、または6分の1に軽減される。住宅であった空き家を解体した場合には税負担の軽減が解除され、元の税額に戻る」

 空き家を解体してさら地にすると固定資産税の軽減措置がなくなるので、親から相続した実家などを空き家の状態で残している人も多いようです。

 ただし空き家を適切に管理せずに周辺の生活環境に悪影響を及ぼすなどし、市や町から空家法に基づく勧告を受けた場合、住宅が建っている状態でも固定資産税の住宅用地特例が受けられなくなるそうです。

自治体の補助金制度は?(津山市 カウカウ 66歳)

(香川県住宅課/豊嶋泰行 副課長)
「老朽化が進行して危険な状態となった空き家の除却(解体)については、(香川)県内では一部の町を除き補助金制度がある。まずは空き家が建っている場所の市町の窓口まで問い合わせてください」

 東かがわ市の場合、老朽危険空き家の解体工事費の5分の4、上限160万円まで補助金が交付されます。

 香川県では市町の補助金制度を活用した老朽空き家の解体工事が年間約300件行われています。

 2023年4月27日から相続した土地を国が引き取る「相続土地国庫帰属制度」が開始されました。ただし、建物が建っている土地は管理コストが高額になるため、国庫帰属制度の申請の対象とはなっていません。

(香川県住宅課/豊嶋泰行 副課長)
「空き家は所有者や地域にとって貴重な財産なので、有効に活用していただけるように適切に管理して、早い段階から利用・利活用を検討していただくことが何より。また老朽化して危険な空き家をお持ちの方は速やかに除却(解体)していただきたい」

 空き家を提供したい人と移住などで利用したい人をマッチングさせることを目的とした「空き家バンク」という制度があります。香川県版の「空き家バンク」には8月末時点で845件の物件情報が掲載されています。

(2025年9月25日放送「News Park KSB」より)

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