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四国遍路の起源は?歩き遍路にかかる費用は? 専門家に聞いた「お遍路」の疑問【みんなのハテナ】

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 視聴者の皆さんの疑問に答える「みんなのハテナ」です。今回のテーマは「お遍路」です。

 答えてくれたのは「さぬき市へんろ資料館」の館長で、長年、四国遍路を研究している片桐孝浩さんです。

四国遍路の始まりは?(香川・三木町 トキ 50歳)

(さぬき市へんろ資料館/片桐孝浩 館長)
「弘法大師空海が24歳の時に『三教指帰』という本を出すが、その本の中に今で言う室戸岬(高知・室戸市)や太龍寺(徳島・阿南市)という霊場が含まれていたので、この空海の修行時代を四国遍路の起源という」

 その後12世紀ごろの『今昔物語』などに四国の「辺地」という表現が現れ、四国の海辺をめぐる修行を起源とする説もあります。さらに……

(さぬき市へんろ資料館/片桐孝浩 館長)
「今から340年ほど前の1687年に、真念というお坊さんが『四國徧禮道指南』という本を出す。その本の中に初めて88の札所と地番が付くんですね。そのころを四国遍路の成立と言って間違いない」

 山にこもり修行を行うことで功徳を得る「修験道」を空海も重ねました。今ではいろんな人がその足跡をたどることでそれぞれの心に寄り添う旅となり、継承されたようです。

回る順番は?(丸亀市 やまとぱぱ 70歳)

(さぬき市へんろ資料館/片桐孝浩 館長)
「宗派に関係なく一番から打たなければいけないとかということなくて、途中から回り始めてもいいですよ。自然と一体になって心のけがれであるとかいろんなものが浄化されていくところに魅力があるのではないか」

 「行ける札所から」「1県ごとに」など、自身の都合や予定に合わせた自由な参り方ができ、国籍や宗派も関係なく、誰もがおへんろさんになれるのも特徴の一つです。

費用はどれくらい?(東かがわ市 舞亜魅 63歳)

 遍路には、歩き、自転車、自家用車、バスやタクシーを使ったツアーなどいろんな方法がありますが、全国からのツアーを手掛けている高松市の旅行会社「旅ネット四国」に聞きました。

(旅ネット四国/秋山雅樹 社長)
「当社はタクシーおへんろさんが人気です。最大8人でジャンボタクシーで10泊11日の行程でひとり31万4400円です」

 「歩き遍路」の費用はというと、日程は歩く速さで変わり、45日~60日ほど。仮に50日として、宿泊費を1日7千円で試算すると35万円。その他、昼食代や御朱印をもらうための費用など雑費で15万円。それらを合わせて約50万円。一日当り1万円が必要になります。

 取材班が8月、さぬき市の大窪寺の近くで群馬からのおへんろさんに出会いました。タクシーを使って約2週間の日程で、この日は4日目でした。

(タクシーで巡拝中のおへんろさん[75])
「無理に暑いときに来たんですよ。お客さんも少ないかなと。一日に何か寺も回れるかな。人にどう見えるかわかりませんが、自分の心のよりどころということで是非結願したないあ」

必要なグッズは?(赤磐市 えいる 42歳)他

(旅ネット四国/秋山雅樹 社長)
「まずは白い白衣、首から下げる輪袈裟、それに弘法大師の化身と言われる金剛杖、この3点セットを持ってお越しいただくのがいい」

 ただ服装は基本的に自由だそうです。ご紹介いただいた白衣、袈裟、金剛杖など最低限の衣装を身に着けるだけで、自然と気持ちが引き締まるそうです。

 最後に、大勢のお遍路を見守ってきたおへんろ資料館の館長から初心者の皆さんにアドバイスです。

(さぬき市へんろ資料館/片桐孝浩 館長)
「事前に宿とか体調とかを整えたうえで、歩いていると暑い日も寒い日もありますので無理をしないように歩いていただけたらいいかな」

(2025年9月4日放送「News Park KSB」より)

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