息子などになりすまして高齢者から現金をだまし取ったとして、東京都のタクシー運転手の男(34)が5日、詐欺の疑いで現行犯逮捕されました。
警察によりますと、男は氏名不詳者ら複数人と共謀し、4日から5日までの間に息子や証券会社の社員になりすまし、岡山市の女性(70代)に「株で儲かった分の税金が未納になっている」「法律事務所の事務員に現金400万円を渡してほしい」などとうその電話をかけたということです。
警察が別件の特殊詐欺事件を受け、各住宅に注意を呼び掛けていたところ、この女性が男に現金を受け渡している現場を目撃、男を現行犯逮捕しました。男は法律事務所の事務員になりすまし、岡山市北区の駐車場で女性から現金400万円をだまし取った疑いが持たれています。
警察の調べに対し男は「偽名を使って現金400万円をだましたことに間違いない」「特殊詐欺の受け子をするという認識があった」と容疑を認めていて、SNSの高収入バイトに応募したという趣旨の話をしているということです。
また岡山市では5日、同じく息子などになりすまして高齢者から現金をだまし取った詐欺の疑いで、住所不定の男(19)が緊急逮捕されました。
男も受け子を担っていたとみられ、氏名不詳者と共謀し高齢者にうその電話をかけ、岡山市中区の80代の女性から現金150万円をだまし取った疑いです。
女性の家族からの通報を受けた警察が、女性からだまし取ったとみられる現金を持っていた男を女性宅近くの路上で見つけ、緊急逮捕しました。
男は「現金150万円を受け取りに行くよう頼まれていただけで、だまし取ったつもりはない」と容疑を否認しているということです。
警察は両事件を「匿名・流動型犯罪グループ」、いわゆる「トクリュウ」の犯行とみて、共犯者や当時の状況などを調べています。
また、両事件とも固定電話に詐欺の電話がかかってきていて、警察は「留守番電話機能を使うこと」や「国際電話などの見知らぬ電話番号には出ないこと」、「固定電話に防犯機能が付いた録音機を付けること」などを呼び掛けています。