全国各地でクマの目撃や被害が相次いでいます。そんな中、岡山県ではクマの出没件数が2024年と比べて半分以下に減っています。いったいなぜなのでしょうか?
環境省によりますと、2025年4月から9月までに北海道と九州、沖縄を除く地域で確認されたクマの出没は2万792件でした。
2025年度、クマに襲われて死亡した人の数は12人に上り、過去最多だった2023年度の2倍に増えています。
岡山県にもツキノワグマが生息していて、2024年は津山市で50代の男性が登山中にクマに遭遇し、腕をかまれるなどして軽いけがをしました。
岡山県によりますと2025年はクマの出没件数が大幅に減っています。
2020年度以降の月別のツキノワグマの出没件数です。2025年度はいずれの月も過去の年度を下回っています。
10月末までの出没件数は32件で、2024年度の同じ時期と比べて約3割にとどまっています。なぜ少ないのでしょうか?
(岡山県自然環境課/劔持政己 課長)
「山に食料となるものが豊富なので、下(人里)まで降りてきてない個体が多いという推測になる」
この時期のクマにとって主な食料はドングリです。岡山県の調査によると2025年、ドングリを実らせる木のうちブナは凶作でしたが、ミズナラとコナラは豊作でした。2024年はいずれも凶作だったということです。
また兵庫県西部から岡山県・鳥取県にかけて生息するツキノワグマの推定個体数は2024年度より42頭少ない763頭とされています。
出没が減っていますが、山に入る際は注意が必要です。岡山県は、笛や鈴、ラジオなどを鳴らしてクマに人間の存在を知らせ、近付かせないようにすることが大切だとしています。
その上で、万が一、クマに襲われたら地面に伏せて身を守る姿勢をとるよう呼び掛けています。
(岡山県自然環境課/劔持政己 課長)
「まずはクマに出会わないことが一番の被害対策。クマに自分の存在を知らせてもらう。山に入るときはそれと(人里に)近づけないように生ごみなどを出しっぱなしにしないようにして寄せ付けない工夫を」