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旧香川県立体育館訴訟 原告側が耐震鑑定と証拠保全申し立て ハーバード大大学院教授「解体は残念」

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 建築家・丹下健三が設計した旧香川県立体育館の解体工事費の支出差し止めを求めた住民訴訟です。原告側は、建物の耐震性能を鑑定するための「証拠保全」を裁判所に申し立てました。

 この裁判は、建築家らで作る「旧香川県立体育館再生委員会」の長田慶太委員長が2025年11月、香川県を相手取って起こしたものです。

 訴えによりますと、2025年7月に再生委員会が提案した民間資金での再生案について県が十分な協議や検討を行わないまま解体工事に約8億5000万円の公金を支出するのは「違法」などとして支出の差し止めを求めています。

 裁判の大きな争点になるとみられるのが「建物の耐震性」です。

 香川県と県教委は2025年8月と9月、再生委員会と2度にわたり非公開で面談の場を持ちました。

 「大地震の際、建物の倒壊の危険性がある」とする県側に対し、再生委員会側は「倒壊の危険性は極めて低く、県が危険を強調するのは解体を強行するための方便」だと主張しています。

 原告側は、1月13日付で高松地裁に対し旧県立体育館の耐震性能の鑑定とその間、建物の現状を維持することを求める「証拠保全」の申立書を提出しました。

 「倒壊の危険性」の有無を判断するためにはより適切な手法に基づく客観的、科学的検証が不可欠だと指摘。「審理の途中で建物が解体されると公金支出の違法性を判断する重要な材料が失われ、真相の解明が不可能となるおそれが高い」なとどして証拠保全の必要性を訴えています。

 19日の定例記者会見で香川県の池田知事は……。

(香川県/池田豊人 知事)
「(申し立ての)内容を精査しながら県教委とも連携して適切に対応していく予定であります。内容、今後の対応につきましては係争中につきコメントは差し控えたいと考えています」

 高松地裁は被告の県側に1月23日までに反論の書面を提出するよう求めています。第1回口頭弁論は3月10日に開かれます。

解体の行方は海外からも注目「世界中の建築家が教材に」

 旧香川県立体育館の解体の行方は海外からも注目されています。12月23日、アメリカのハーバード大学大学院で建築を教える森俊子教授が来日に合わせて立ち寄りました。

 ハーバード大学大学院は丹下健三が手掛けた建築の図面や模型などを所蔵していて、2025年4月、24人の教員が連名で香川県に解体を考え直すよう求める嘆願書を送っていました。

(ハーバード大学大学院/森俊子 教授)
「世界中の建築家が教材として使う大切な建物なんですね。高松という街ですから港が大切なので、船のような形にしてこの街のシンボルのような形になっているのではないか。」

「(前回の)東京オリンピックと同年に造ってますから、東京だけでなく地方でも(戦後から)復興させて、豊かな日本のことを考えて丹下健三さんは造られたと思う」

 香川県教委は旧県立体育館の文化的価値を後世に伝えるための記録保存に取り組んでいますが、森教授は……。

(ハーバード大学大学院/森俊子 教授)
「記録に残すことと実物を残すこととはやはり次元が違う話なんです。未来の世代の方たちに対してもこの建物を壊すのはとても残念なことだと思う」

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