岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域(農)の勝俣沙智助教らの研究グループは、ニワトリのむね肉のタンパク質を分解して、うま味成分の「グルタミン酸」を増やす働きに、特定の酵素が関与していることを突き止めたと発表しました。
鶏肉のうま味形成のメカニズムを明らかにすることで、食味向上が期待されるとしています。研究成果は2月11日に学術誌「Poultry Science」に掲載されました。
ニワトリの食鳥処理場では、汚染防止のため食鳥処理前に絶食させることになっており、これが筋肉のタンパク質の分解を促進することが知られています。
これまでの研究で、絶食時間が長いほど、タンパク質の分解レベルが上昇し、熟成後のむね肉のうまみ成分(遊離グルタミン酸)の増加と関係していることが分かっています。
研究グループは、16時間絶食させたニワトリを使って実験し、筋肉中のタンパク質分解レベルと、48時間の熟成中に増加する遊離グルタミン酸の量の相関を調べました。
その結果、筋肉中のタンパク質分解レベルが高いニワトリのむね肉において、Calpain11という分解酵素の遺伝子発現量が増加し、この酵素のはたらきは熟成後の遊離グルタミン酸の量とも相関があることが分かりました。
研究グループは、家畜が生きている間の生理状態が食肉の品質に影響することを示したとしていて、今後の飼育管理などへの貢献が期待できるとしています。