晴天に恵まれた5月24日、日曜日の昼下がり。地図を手にした多くの人たちが高松市中心部を練り歩いていました。初開催の「高松日本酒グイグイ呑み歩き(略称・グイ呑み)」の参加者です。参加チケットを購入して、この幸せなイベントに参加してみました。
日本酒と料理のペアリングを楽しみながら気軽にハシゴ酒を楽しんでもらおうと、酒蔵や飲食店などでつくる「酒立日本酒大学」が初めて開いたものです。
ルールは簡単で、まずは1000円で参加チケット代わりの「地図(スタンプ帳と兼用)」を購入し、あとは参加店でスタンプを押してもらいながら、各自が行きたい店を巡る、というもの。
和食だけでなく、洋食や中華、それにショットバーなど全19店舗が参加し、香川の金陵や綾菊はもちろん、岡山の白菊、嘉美心、辻本店など中四国や九州の19の酒蔵とタッグを組みました。1店舗あたり1000円で、日本酒60ccとお酒に合う一品料理を提供します。
高松市御坊町にあるワイン居酒屋「ガブマル食堂」は、この日のために魚介をたっぷりつかったパエリアを開発。意外にも日本酒との相性が抜群で、訪れた人を驚かせていました。
このようにお店側はお酒の特徴に合わせたメニューを開発。一方、酒蔵からは担当者がお店に常駐して、訪れた人に自分たちのお酒の特徴や魅力を説明しました。中には経営者自らが店頭に立った蔵もありました。
午後3時。フェリー通り沿いにある老舗の天ぷら店、「天銀大工町店」の前には長い行列ができていました。
およそ45分待った先で食べることができるのは、サクサクに揚がったタイの天ぷら。もちろん日本酒との相性は抜群でした。
また、このお店では偶然、感動的な光景に立ち会いました。イベントに客として参加していた高校教師が、数年前に担任をしていた元生徒の女性と偶然、隣り合わせに…。お酒が飲める年齢になった教え子と乾杯をしたあと、お互い涙ながらに思い出話に花を咲かせていました。この店に限らずあちこちで、初対面の人たちが杯を交わして新たな交流が生まれていました。
高松市内町の「ミヤモト惣菜店」では、鳥取県の太田酒造場が「辨天娘」を燗酒で提供。参加店のなかでも燗酒を提供したのは唯一とあって、日本酒ファンを大いに喜ばせていました。
午後1時から7時までの6時間に全19店舗を訪れようと思うと、移動時間を含めて1店舗あたり20分弱という計算になります。私も全店制覇をもくろみましたが、午後6時過ぎの段階で14店舗…。残念ながら達成は厳しい状況となりました。
最後の店に選んだのはカクテルバーの「Dank」。タッグを組んだ佐賀県の松浦一酒造には「河童のミイラ」が伝わるということで、おつまみも河童風に。
そして午後7時。私の挑戦は16店舗で終わりました。さすがに全店制覇できる人はいないかと思われましたが、強者はいるもので、複数の人がコンプリートを達成したということです。
今回、主催者サイドは前売りで1000枚、当日500枚程度を想定していましたが、事前にテレビのグルメ情報番組などで紹介されたこともあり、なんと前日で完売。当日参加は事実上できないという「うれしい誤算」もありました。
主催した日本酒大学の佐藤省吾さんによると、中四国を中心に遠くは北海道からの参加者もいて、特に女性の参加者が目立ったということです。この1日で1.8リットル瓶換算で320本もの日本酒が飲みつくされたということで、「どんな料理にも寄り添える日本酒。日本酒にしかない魅力の可能性を改めて実感した」と手応えを感じていました。
この成功を受け、今年同様5月の最終日曜日に2回目の開催を計画しているということです。