イスラエル軍は、イスラム組織「ハマス」が返還した人質の遺体4体のうち1体が通告された人とは別人であると発表し、停戦合意に違反していると批判しました。
ハマスは20日、イスラエル側に4人の遺体を返還しました。
イスラエル軍は、20日にハマス側から返還された4人の遺体のうち、83歳の男性と2人の幼児の身元は確認できたものの、2人の幼児の母親、シリ・ビバスさんとされる遺体については、身元を特定できなかったと明らかにしました。
他の拘束されている人質のものとも一致しなかったということです。
ビバスさん一家は、幼い子どもを含む家族全員が人質にされたことから、イスラエルでは人質救出のシンボル的な存在となっていました。
ネタニヤフ首相は遺体が返還されなかったことを「想像を絶する、あざ笑っているような態度だ」と厳しく非難しました。
これに対しハマスは、「我々はこれらの主張を真摯に検証し、結果を明確にして発表する」と声明を出しました。
そのうえで、「イスラエル軍が彼女らのいた場所を爆撃した結果、遺体に誤りが生じた可能性がある」としています。
22日には停戦の第1段階で最後となる生存する人質6人が新たに解放される予定ですが、これについてイスラエル軍は変更はないとの方針を示しています。