寒波が“長期化”している「豪雪地帯」では、大雪による経済的な負担も深刻です。例年以上にフル稼働する除雪車にも“新たな問題”が…(2月22日OA「サタデーステーション」)
■除雪“フル稼働”経済的負担も増加
報告・水野正路ディレクター 「午前8時半です。糸魚川市では吹雪となっていて、視界がかなり悪くなっています」
22日、新潟県糸魚川では、午後1時までの6時間に15センチの雪が降るなど、短い時間で積雪が急増。糸魚川市に拠点を置く除雪ステーションでは、24時間いつでも出動できる体制を組んでいます。長引く寒波の影響は、除雪現場にも…
国交省 糸魚川国道維持出張所 松本剛所長 「稼働が増えればエッジもどんどん減っていきますので、そのために交換しているような形になります」
「エッジ」とは、消耗品として取り換えが必要な部品で、路面と接するこの部分のことです。「使用前のエッジ」と「使用済みのエッジ」を比べると、「使用済みのエッジ」は鉄板が削られてガタガタに。そのため定期的な交換作業が必要となります。
国交省 糸魚川国道維持出張所 松本剛所長 「今2月の段階で3回交換する形になっていますので、例年の3倍というような状況です」
では実際、除雪車はどの程度稼働しているのでしょうか?
報告・水野正路ディレクター 「午前7時半です、一斉に除雪車が出ていきます。大粒の雪が降る中、道路の雪を除雪していて『エッジ』部分が地面に当たって擦れているのがわかります」
午前9時過ぎ、およそ1時間半の作業で除雪が終了。車両が車庫へと戻ります。しかし…
現場責任者 「降雪多くなって積雪量も増えたのでもう1回出動します」
一息つく間もなく除雪車は再び出動。「エッジ」の交換やタイヤチェーンの交換費用を合わせ、このままいけば昨年度より200万円以上かかるという事です。
国交省 糸魚川国道維持出張所 松本剛所長 「この寒気が続くということになりますと、除雪作業員さんの疲労がどんどん溜まっていきますので、そこも今、心配しているところになります」
■除雪機の修理依頼「普段の10倍」住民に経済的負担
新潟県上越市で働いている倉林さん。最近、特に慌ただしい日々を過ごしていました。その理由は、除雪機の修理です。
修理の依頼者 「きのう使っていた途中でエンスト起こしたみたいな感じ」
今月は大雪続きで上越市の2月の積雪量は平年の2倍以上になる日もありました。除雪機の使用頻度も増え、修理の依頼が普段の10倍になる日もあるといいます。
除雪機の修理業者「プラウ三和店」倉林誠さん 「多い時で1日30件くらいありました」
今回の修理はバッテリー2つを交換し、修理代はおよそ2万5千円。支払う側からすると痛い出費です。
修理の依頼者 「去年は(除雪機を)2回か3回出しただけ。今年はもうこれ何回出したかわからんです」
燃料のガソリンも値段が高止まりしている状況です。
修理の依頼者 「この間、満タンにしたのに(もう残りが)3分の2か…」
次に倉林さんが向かったのは、ベルトの交換が必要な除雪機。
除雪機の修理業者「プラウ三和店」倉林誠さん 「使い過ぎてベルトが減っちゃって、ベルトが滑っちゃう。それで雪が飛ばなくなった」
依頼者とはこんなやりとりも。
除雪機の修理業者「プラウ三和店」倉林誠さん 「スピードとか上げちゃうと(ベルトの)減りも早くなるので…」 修理の依頼者 「でも(雪の)量があると…」 除雪機の修理業者「プラウ三和店」倉林誠さん 「どうしても速くなっちゃうんですよね」
一方、大雪による観光業への経済的な影響も深刻です。新潟県十日町市の旅館ではキャンセルなどで今月すでに100万円近い損失が出ているといいます。