野党の動きも活発になっています。「玉木雄一郎総理大臣」を受け入れる姿勢の立憲民主党の野田佳彦代表は、国民民主党と日本維新の会による3党で、14日にも党首会談を行う考えを明らかにしました。
■玉木氏に訴え「度量ないと」
訪問先で、写真撮影に応じる国民民主党の玉木代表。支持者から掛けられる言葉も今は…。
支持者 「総理大臣になってください」 玉木代表 「頑張ります。ありがとう」
野党のなかで「最も総理に近い人物」と言っても、過言ではないかもしれません。ただ、玉木氏は一貫して野党連携に慎重な立場です。
「自公に対しても立憲に対しても、『政策本位でやっていこう』と言っているので、政策が一致すれば一緒に進めるパートナーになれるし、政策が一致しなければ一緒に進むパートナーにはなれない」
玉木氏が特に問題視しているのが、立憲民主党の「安全保障」と「エネルギー政策」です。2015年の安保改正で実現した「集団的自衛権」の一部行使容認について、立憲民主党は「憲法違反」と主張して廃止を求めています。
また党の綱領では「原発ゼロ社会の一日も早い実現」を掲げていて、こちらも玉木氏とは考えが異なっています。
こうした政策のズレについて、立憲の野田代表は12日朝のテレビ番組でこう発言しました。
「(玉木氏が)『総理を目指す』というなら、いろいろなところを含んでまとめるということ。その度量もないといけないので、ご自身ものりしろをもって協議に応じてほしい」
この発言に対して、玉木氏はこう話しました。
「『足して2で割る』ではない、安全保障は。『憲法違反です』とか言っていたら、アメリカとの連携なんかできない。日米の防衛協力体制をそのまま受け入れられるか、それを党として決めてほしいということ」
こうした反応に、野田氏からは苦言も飛び出しました。
「『機関決定しろ』『でないと会わない』は、あまりに高い所からものを言いすぎでは。一字一句変えてはいけないという立場ではない」 「(Q.玉木代表は『はっきりさせて』と)だったら、それは“直接”やりたいと思います。あなた(記者)とやるんじゃなくて、“直接”やりたいと思います。もしそういうご指摘があるなら、私なりの考え方を整理したい」
■総理指名で野党一本化目指す
野田氏は総理指名選挙で野党候補の一本化に向けて、国民民主党と日本維新の会に党首会談を打診するよう安住幹事長に指示したことを明らかにしました。早ければ、14日にも実現したいということです。
毎日新聞専門編集委員 佐藤千矢子氏 「最終的にこの3党がまとまれるかというと、現状では非常に難しい。その場合は高市氏。自民党の『少数単独政権』が始まる可能性が一番高い」
ただ、玉木氏の判断次第では、野党が担いだ「玉木総理」の可能性もあるといいます。
「国民民主の戦略は次の衆院選で大躍進して、そこで『政権取り』を目指すシナリオだったと思う。内閣の外にいて『あれやれ、これやれ』って言っている分には、“財源”の責任を持たなくていいが、(政権の)中にいて『これをやる』というと、財源の手当てとか心配も自分たちでしなきゃいけない。自分たちにとって一番、何がメリットがあるのか、かなり慎重に判断するということだと思う」
11日、テレビ朝日の単独取材に応じた玉木氏。もう一つの選択肢、自民党と組む可能性について問われるとこう答えました。
「正直『安全保障』と『エネルギー政策』は、むしろ現与党の方が近いですよね」 「(Q.わざと『財務大臣ポスト』を空けているという話も)決まらないだけでしょう。そもそも組閣できるのか、その前段階にいますよね。高市内閣じゃない可能性が出てきているからこそ、ちょっと慎重なんじゃないですか」
(「グッド!モーニング」2025年10月13日放送分より)