香川県高松市にあった水道管製造工場で、アスベストによる健康被害を受けたとして元従業員らが国に損害賠償を求めていた裁判です。高松地方裁判所で15日、和解が成立しました。
(エタパイ高松国賠訴訟原告団/谷口 忠光 団長) 「(アスベストが)これほど危険な物であることを我々も認識していたんですから国が認めたということは当然だと思います」
原告は旧・日本エタニットパイプ高松工場に勤めていた元従業員や遺族50人です。 訴えによりますと工場では1935年から1971年までアスベストを使って水道管を製造していました。そして、従業員が作業中に粉じんを吸い込み、肺がんや中皮腫などの健康被害を受けたとしています。 原告はアスベストの有害性を知りながら粉じんの飛散防止装置の設置を義務付けなかったとして、国に総額約1億9200万円の損害賠償を求めていました。
高松地裁は15日、国の責任を認めた上で、総額約1億8800万円を原告に払うことで和解が成立しました。 原告側は「思ったより時間がかかった。今後は埋もれている被災者を掘り起こしたい」と話しています。