郷土出身のジャーナリストにちなんだ行事でした。使わなくなった筆を供養し、書道の上達を願う筆供養が岡山県吉備中央町で行われました。
岡山県吉備中央町の円城寺です。
(記者) 「筆供養はこちらの落書きを書いた人の命日に合わせて行われます」
6月7日は、岡山県美咲町出身で、江戸から明治にかけて活躍したジャーナリスト岸田吟香の命日です。 吟香は上京する前に自分の決意を落書きとして残していて、今も大切に保管されています。吟香は書の達人としても知られていました。
(円城寺/天艸眞諦 住職) 「息子の岸田劉生さんのほうが有名だったりするんですけども、吟香さんも、もっといろんなところで再評価されたらそれに越すことはないと思います。」
供養する筆は約1000本。ほとんどは県内から郵送で届けられましたが…
倉敷市で書道教室を開いている女性です。
「子どもらがね一生懸命使った筆ですから、上達を祈願してね」
4年前に夫に先立たれた女性も夫の筆を供養しに。
「体が不自由になっても最後の筆を使ってたのを1本残してたんですよ。筆供養していただいたらあちらまで届くかなと思って」
寺の境内には護摩壇が用意され、住職が祈祷しながら筆を火にくべていきました。 筆を持ってきた人や近所の人たちが見守る中、筆は赤い炎に包まれ、立ち上る煙は梅雨の晴れ間の青空に溶けていきました。
(4年前に夫に先立たれた女性はー) 「(Q.どういうことをご主人に伝えたいですか?)現在も元気でやっているということと、孫たちも大きくなっているということ」