1945年、原爆によって飛散した原爆ドームのレンガが、香川県観音寺市の製造元に寄贈されました。 観音寺市の讃岐煉瓦に原爆ドームのレンガを寄贈したのは、広島大学の大学院生で、学生団体「原爆瓦発送之会」の嘉陽礼文さんです。
今年2月、嘉陽さんたちは原爆ドームの前を流れる元安川から、レンガを採取しました。表面に貼り付いたフジツボや貝殻が、時代の流れを物語ります。 レンガには、松の葉を2つ組み合わせた菱形の刻印があり、讃岐煉瓦が製造したものと判明しました。
現在の原爆ドームが「広島県物産陳列館」として建設された大正時代以前に、職人が一つ一つ手作りしたレンガです。
(広島大学 原爆瓦発送之会/嘉陽礼文 会長) 「平和の想いを多くの方に持っていただく機会を香川県の中から、観音寺市の中から、ぜひ発信の源としていただきたい」
(讃岐煉瓦株式会社/川崎隆三郎 社長) 「不戦の願いや、平和を尊ぶ気持ちをご覧になった方に伝えていければと思う」
寄贈されたレンガは、原爆ドームの歴史を知る貴重な資料として、常設展示する予定です。