高齢などが理由で買い物に行くことが難しいいわゆる「買い物弱者」の課題解決へ。岡山県北部の勝央町で次世代ロボットによる実証実験が19日、行われました。
(記者リポート)
「買い物に行きたくても行くことができない、そんな人の助けにロボットがなってくれるかもしれません!」
トヨタ自動車が開発した電気で動く自動配送ロボット「Guide Mobi(ガイド モビ)」と「SORA CAGO(ソラ カゴ)」です。
19日朝、勝央町でトヨタ自動車のグループ会社と地元で野菜などを販売する「どんどん市場」などが協力し、実証実験が行われました。
実験では、市場で積み込んだ荷物をロボットが約1km離れた住宅へ届け、帰りは収穫された野菜を市場まで運びました。
小型の「SORA CAGO」は約20kg、中型の「Guide Mobi」は約200kgまでの荷物を自動で運ぶことができます。
実証実験の背景にあるのは、いわゆる「買い物弱者」の増加です。農林水産省は2020年時点の推計で、近くにスーパーなどがなく車も使えず、買い物が困難な高齢者が岡山県に17万人いるとしています。
(どんどん市場/春名美千恵 店長)
「以前は来られていたのに急に来られなくなったなと思ったら、自動車の返納とか、それからカートで来られなくなったりした人。だんだんとお店に来られる、足を運ばれる方が少なくなっている」
「買い物弱者」支援として、どんどん市場は週5日、移動販売車を使って各家庭に商品を届けるなどしています。
(どんどん市場/春名美千恵 店長)
「(高齢者は)重たいものをお店に来たりしても運んで帰れない、野菜とかをロボットが集荷して帰ってきていただくと便利になると思う、私の仕事も少なくなると思うので(笑)」
(地元の人[70代])
「すごい時代が来たなと。車に高齢者は乗れない時代が目の前に見えているので、早いうちに来てくれたらいいなと」
トヨタ自動車によりますと、自動配送ロボットの実用化にはまだ時間がかかりそうです。今後も実証実験を通じて精度を高め、買い物弱者対策や物流業界の人手不足などにも役立てたいとしています。
(トヨタ自動車 システム&サービス基盤開発室/福留秀樹 室長)
「皆さんのお役に立てるかが(実証実験の)私たちの狙いだった。非常に喜んでいただけたことが一番大きなデータだった。人が得意なところは人が、ロボットができることはそこを助けてあげる、そういった開発に向かっていければいいなと思っている」