香川県の小学1年生が瀬戸内海を代表する高級魚・アコウの真っ白い個体を近所のスーパーで発見しました。なぜ白いのか?その謎に迫ります。
こちらがそのアコウです。尾びれから頭の先まで白くて目だけが黒いんです。アコウとは岡山・香川の方言で、正式名称は「キジハタ」と呼ばれるハタ科の魚です。体は茶褐色で斑点模様があります。漁獲量が少ない高級魚で一時は「幻の魚」とも言われていました。
そんな幻の魚・アコウの真っ白な個体を発見したのは、生き物が大好きという香川県宇多津町の小学1年生、石井蒼一郎君(7)です。
「びっくりしました。走って行ったらアルビノ(白化個体)がいた」(石井蒼一郎くん)
白いアコウは一体どこにいたのでしょうか!?
今月8日、お母さんと妹の3人で買い物に来ていた蒼一郎君は鮮魚コーナーの白いアコウを見て大興奮、お父さんに携帯電話で連絡しました。
「ほんとにびっくりしました。すぐお店に言って取り置きをお願いしました」(父・石井誠二さん)
次の日に近くのペットショップでエアーポンプを購入して再び白いアコウのいるスーパーへ向かいました。
そして、100グラム398円という値札の通り、1404円(税込み)で白いアコウを生きたまま購入し、食べずに飼育を始めたというわけです。
ところでこのアコウ、どうして白いのでしょうか? 先天的に色素が薄い「アルビノ」という現象がヘビや鳥などの動物にまれに起こることは知られていますが…
「4、5カ月前から色が変わっていた」(マルナカスーパーセンター宇多津店/朝倉敏明さん)
なんと、白いアコウは最初から白かったわけではなく半年前に入荷してから色が変化したといいます。もしかしてこれは大発見かもしれません。そこで、キジハタの養殖方法などの研究を行なっている海の専門家、香川大学創造工学部の末永慶寛教授に話を聞きました。
「岩礁性の魚(アコウ)はいけすの中でじっとしてるタイプなんですけど、それがなんらかのストレスで体の色が白くなる現象が起こる」(香川大学創造工学部/末永慶寛教授)
末永教授によると先天性のアルビノではなく、ストレスによって白くなった可能性が高いということでした。いずれにしても大変珍しいそうです。
「こういう珍しい状態でいるので、余裕を持って身を寄せる環境で飼育してあげたらいいなと思います」(香川大学創造工学部/末永慶寛教授)
末永教授によると白く変色した動物に色が戻った事例があり、きちんと飼育すると色が戻る可能性もあるといいます。
「元気な状態で魚がいて、多くの人が見てくれたらいいかなと思っているので、しかるべきところに預けたいなと思います」(父・石井誠二さん)