国内最大級といわれた香川県土庄町豊島の産業廃棄物・不法投棄事件は産廃の撤去から2年経ちました。そんな中、東京の写真家が豊島の「過去」と「現在」を見つめた写真展を開いています。
写真展、「Almost Transparent Island」を開いたのは東京在住の写真家、林田真季さんです。林田さんはこれまで、長崎県の五島列島の風景をまとめるなど、日本の里山や里海をテーマにしたプロジェクトに取り組んできました。
今回は廃棄物対策豊島住民会議が撮影した、過去の写真と産廃撤去後に林田さんが撮影した写真、合わせて約50枚を展示しています。
1枚の写真に産廃処分場の「現在」と「過去」を重ね合わせることで、美しい風景の裏側にある「歴史」を表現しています。
(写真家/林田真季さん) 「今回で言うと、過去あったことがあって今の豊島なんで。表側にあるのは私の2017年以降に撮った写真。裏は住民の方々が闘っているときの写真。それが透けて垣間見れるという構成にしています」
写真展では、豊島住民の戦いの歴史をまとめた年表も掲示しています。
(会場を訪れた人はー) 「(Q.豊島事件のことは?)知らなかったです何も知らないことが多すぎて友人の写真展なんでそれを知るきっかけになりました」 「日本だけでなく、世界中でこういった事があると思います。それを考えさせられるというか」 「ひどいなと思いました。ショックですね」
写真展初日のこの日は、「豊島事件」などについて本を書いた作家の佐々木良さんと林田さんのトークショーも行われました。
このほか、会場では無農薬で育てた豊島のレモンを使った「レモンスカッシュ」や海産物を使った料理も提供されました。
(写真家/林田真季さん) 「この豊島事件を通して、アート作品を通して、本当に東京では学べない、いろんなことを学んだので、ここに行くにはおいしいものを食べるとか自然に触れ合うというのもあるけど。『何か学べる島』という位置付けになって、いろんな人に訪れてもらって島の人とも交流したり、豊かな島に本当になればと思います」
林田真季さんの写真展は、6月23日まで東京都墨田区東向島のギャラリーで開かれています。また、林田さんはこの写真展と同じ手法で編集した「豊島の写真集」も出版しました。