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香川・豊島の産廃処理事業完了で知事が視察 住民とオリーブを植樹 安岐事務局長「気持ちを新たに共に一歩前に」

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 香川県土庄町豊島の産廃不法投棄現場での処理事業が完了したことを受け、池田知事が現地を視察しました。

 池田知事は午前10時ごろから、かつて産廃が不法投棄された約8ヘクタールの土地を視察しました。産廃の処理事業が3月26日に完了したことを受けたもので、現場を訪れたのは初めてです。

(廃棄物対策豊島住民会議/安岐正三 事務局長)
「(不法投棄を)やるのはあっという間ですけどね。元通りにするのは大変なことですよ」

 兵庫県警の摘発によって全国に知られることになった豊島の産廃不法投棄事件。1993年、住民たちは原状回復を求めて公害調停を申請しました。

(香川県/真鍋武紀 知事[当時])
「豊島の住民の皆様に長期にわたり不安と苦痛を与えたことを認め、心からおわびをいたします」

 2000年に公害調停が成立し処理事業がスタートします。豊島から撤去された産廃は約91万3000t。撤去が完全に終わったのは2019年でした。

 その後、汚染された地下水の浄化作業も行われ、2022年、ようやく排水基準をクリアしました。これまでにかかった費用は約820億円です。

(香川県/池田豊人 知事)
「豊島事業に関しまして、皆さま方には長い時間にわたりまして、大きな協力とご尽力をいただきました。改めて感謝を申し上げたいと思います」

 池田知事は視察を終えた後、住民とともにオリーブの木を記念に植えました。

 整地した土地が豊島の住民に返還されるには、地下水が環境基準をクリアする必要があり、県は今後も水質浄化のモニタリングを続けます。

(香川県/池田豊人 知事)
「瀬戸内海の大事なこの地区を、将来世代につなげるという意味においては道半ばでありますので、最後まで県として主体的に取り組んでいきたい」

(廃棄物対策豊島住民会議/安岐正三 事務局長)
「よくぞここまで来た。これからも地下水の問題、(土地の)形状の問題も残る。気持ちを新たに、ともに一歩前に行きたい」

 かつて「ごみの島」と言われた豊島。ひとつの節目を迎えましたが、「島の再生」はこれからも続きます。

(廃棄物対策豊島住民会議/石井亨さん)
「ここがきちんと自然にかえっていく、それをもし実践することができれば、世界にたった一つの島になれるんじゃないか」

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