地域の暮らしを支える仕事を学びます。 建設業の魅力や役割を知ってもらおうと、香川県が小中学生の親子を対象にダム工事の現場見学と体験学習を行いました。
建設現場体験ツアーは毎年夏休みに行っていて、3回目の31日には小中学生と保護者合わせて36人が参加しました。
まず最初に、高松市塩江町で建設中の椛川(かばかわ)ダムの工事現場を見学しました。
(記者) 「椛川ダムの建設現場です。建設途中のダムを見学できるのは、とても珍しいということです」
椛川ダムは、香川県で16個目のダムで高さ88.5メートル。完成すれば県内で最も高いダムになります。その高さを現場で確認した子どもたちからは、驚きの声も聞かれました。
その後、事務所に移動して、ダムにあわせて建設する道路について説明を受けました。ダム周辺の道路の建設に用いる「帯鋼補強土壁工法」という工事方法を学ぶため模型を使って実験をしました。
実験に使われた模型では、ナットが土、黒いスポンジが補強に使われる鉄の帯、木片がコンクリートの壁の役目を果たしています。崩れないことはもちろん、できるだけ少ない費用で道路を完成させなければいけません。 角度をつけたり、時間が経ったりすると崩れてしまう模型に苦戦しながらも試行錯誤して完成を目指しました。
(子どもはー) 「ダムだけ造っているのかと思ったけど、道路も造っていることがわかってよかったと思いました」 「道路を造るには1つ1つの作業が大事ということがわかりました」
香川県で建設業で働く人の数は1996年の約5万人をピークに減り続け、現在は約3万人となっています。 今回のツアーは、地域の暮らしを支え災害から生活を守るという建設業の役割を知ってもらい、担い手の確保、育成につなげるのが狙いです。
(香川県土木監理課/谷主昌 課長補佐) 「建設工事とはどういったものなのか興味を持っていただいて、今後の自分たちの将来のお仕事として、選択肢の1つとして選んでいただけたらという風に考えております」