新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府は7日現在、73の国と地域に対して日本への入国を拒否しています。こうした中、新入生が全員外国人という岡山県瀬戸内市の専門学校で入学式が6日、行われました。留学生たちは今、何を思っているのでしょうか?
(日本ITビジネスカレッジ/橋口博州 校長) 「日本ITビジネスカレッジに入学されたみなさん、本日は誠におめでとうございます」
日本ITビジネスカレッジの2020年度の新入生は100人。全員が外国人です。出身地はベトナム、中国、ネパールなど9カ国に及びます。
(新入生) 「おはようございます。私はガン・ホエン・ホン・チーと申します。どうぞよろしくお願いします」
新入生の大半は約2年前から3月まで、福岡や岡山など国内の日本語学校で学んでいました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて学校側は新入生に帰国せず、日本にとどまるよう指示しました。
3人は帰国しましたが、97人が瀬戸内市で入学式を迎えました。
(橋口博州 校長) 「留学が中断しない最善の策として考えると、日本国内にとどまる、そして学校として万全の態勢をとるのが、2年後に学生にとって一番ハッピーな結果をもたらすんじゃないかということで、そういった発信をしました」
しかし、留学生の保護者は現在の日本の状況の中で学校が始まることに不安を感じていたそうです。
(バングラディシュ出身/ムリダ・モハマド・ラセルさん) 「(両親は)とても心配しています。きょうも学校に行く前にお父さんとお母さんから電話があって、”日本では学校は休みじゃないんですか?”と聞かれて、きょうの入学式は少ない人数が教室で別々にやると教えました」
日本ITビジネスカレッジでは、新型コロナウイルスの感染防止のためしばらくの間、授業は全てオンラインで行います。
これまで国は、外国人留学生に対しての通信教育は在留資格の「留学」とは認めていませんでした。しかし2020年度に限って、留学生に対しての遠隔授業を許可しました。
(ミャンマー出身/カイ・モー・モー・ウーさん) 「学校へ行って、勉強した方がいいと思います。家で一人で勉強することは寂しいと思うし嫌です」
感染拡大が止まらない状況の中で、外国人留学生にとって大きな不安材料が「アルバイト」です。ベトナム出身の学生は、岡山市の居酒屋ですでにアルバイトを始めていました。
(ベトナム出身/グエン・ゴック・クエンさん) 「(アルバイト先の)居酒屋さんにお客さんがあまり来ない。アルバイトできなかったら生活費とか学費とか稼げないです」
多くの留学生がアルバイトをしないと、生活費や学費を工面できません。新型コロナウィルスの感染拡大で留学生にとっても「不安な春」となっています。