4月1日に施行された香川県の「ゲーム依存症対策条例」について、その制定過程に疑問の声が上がっています。
県民や事業者から条例に対する意見を聞く「パブリックコメント」をめぐり県議会事務局は、意見を送った人が実在するかどうかを確認せずに賛否の数を集計し、公表していたことが分かりました。
パブリックコメントは今年1月23日から15日間、県民や事業者を対象に行われ、約2700件の意見が寄せられました。県議会の条例検討委員会で公表されたのは意見の概要版で、約84パーセントが条例に賛成だという集計結果が示されました。
情報公開請求によって13日に開示された意見の「原本」は提出者の氏名や住所などの個人情報は黒塗りでしたが、賛成意見には全く同じ文面のものが多くありました。
香川県議会事務局は、提出者の氏名や住所などを見て複数の重複があった場合は合わせて「1件」とカウントしていました。しかし、意見を提出した個人や事業者が実在するかどうかは確認していなかったことが分かりました。
香川県のパブリックコメントの実施要項では意見提出者の確認については定められていません。 議会事務局は、「より多くの意見を条例に反映させるのが目的。提出者が実在するかどうかは詮索していない」としています。