岡山刑務所の塀の内側に描かれている大きくカラフルな絵。制作者の思いや受刑者のために、劣化した絵がパネルになって飾られました。
岡山刑務所の灰色の塀の内側は、約190メートルにわたって大きくカラフルな絵で彩られています。
1979年、岡山刑務所の呼び掛けに集まった大学生ら約120人が受刑者の更生のために描いたものです。
岡山刑務所に収容されている受刑者は全員が刑期10年以上。半数以上が無期懲役です。
塀の絵はそんな受刑者の心を41年間支え続けてきました。
しかし、雨風を受け続けた塀の絵からは、元の色鮮やかさや細かい描写は消えつつあります。
(記者リポート)
「劣化した壁画が復元されて18枚のパネルになって取り付けられました。受刑者が今まで知ることができなかった制作者の思いなども書かれています」
体育館の壁、約27メートルに飾られたのは、壁画を約40分の1に縮尺したパネルです。
壁画の完成当時に作られた壁画集をもとにプリントして作られました。
壁画が描かれた当時から服役している受刑者2人が、パネルを見るため体育館を訪れました。
(42年前から服役する受刑者)
「最初の壁画を見た印象よりも濃くて印象強く感じますね」
(43年前から服役する受刑者)
「今の絵がかなり薄くなってるんで、インパクトがすごく強いです、懐かしい感じがします」
(42年前から服役する受刑者)
「当時の絵を見ただけと(制作者の)思いがつづられていることを照らし合わせて見た時に、また違う思いになるんじゃないかな。感慨深いものがありますね」
(43年前から服役する受刑者)
「自分たちのことをかなり思っていただいて、描いていただいたっていうのが伝わってきます」
(岡山刑務所/望月英也 所長)
「地域のみんなが支えてくれているんだという思いを感じてもらえる大変すばらしいものだと思います。喜んでもらっていたのが何よりです。これを励みに、また社会復帰に向けて頑張ってもらいたいと思います」