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西日本豪雨からまもなく3年 浸水や工場の爆発…被災の“記録”と“記憶”後世に 岡山県総社市・下原地区

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 記録だけでなく記憶を後世に伝えます。2018年7月の西日本豪雨で被害を受けた岡山県総社市下原地区の住民が、発災から3年の節目に向け「記憶誌」の編さんに取り組んでいます。

 倉敷市真備町に隣接する総社市の下原地区は、2018年7月の西日本豪雨で浸水に加え、アルミ工場の爆発という二重の被害を受けましたが犠牲者はゼロでした。

 地区の自主防災組織のメンバーが手分けして住民約350人に避難を呼びかけ、爆発から5時間以内に全員を避難させたためです。

 あれからまもなく3年。自主防災組織のメンバーはこの経験を後世に伝え災害時に命を守る行動を取ってもらおうと「記憶誌」の編さんに取り組んでいます。

 被災や避難行動の記録をまとめるだけでなく、住民の手記や俳句などもできるだけ多く載せることにしました。

(下原地区自主防災組織/川田一馬 副本部長)
「つらかったこと、悔しかったこと、被災した者でしか分からない気持ちとかそういうものを伝えたいと」

 1000部を作り地区の住民や市内の小中学校に配る予定で、費用は約100万円です。

 住民が出し合ったお金だけで費用を工面することが難しく、4月からクラウドファンディングを始めました。手数料や返礼品の費用を含め目標金額は200万円としましたが、なかなか集まっていません。

(下原地区自主防災組織/川田一馬 副本部長)
「新型コロナウイルスの感染がこんな状況、あまり無理を言えない。何のためにどうしてやる、何が大切か改めて考えさせられている」

 この日、公民館では地区の住民がクラウドファンディングの返礼品を作っていました。

 作っていたのは、被災後、地区の女性たちが考案した「ふくふくこけし御守」です。水害と爆発からの復興を願いひとつひとつ手作業で作っています。

 また、地区の住民・川田順さん(79)は、自身が詠んだ俳句を記憶誌に載せる予定です。

(川田順さんが詠んだ俳句)
『月仰ぐ 仮設住まいの 狭き庭』

(川田順さん)
「仮設住宅から見た満月。自然は変わらないけど今ここにいるけど早く帰れたらいいねって(友人と)話をしながら、こんなことがあったと思い出す、こんなことがあってはいけないと感じる、そういうことにお役に立てるかな」

 クラウドファンディングは7月上旬まで実施しています。

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