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【解説】岡山県の伊原木知事が生出演 緊急事態宣言「延長要請」で今後の見通しは…

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 岡山県に出されている緊急事態宣言の期限は5月31日ですが、伊原木知事は26日、国に延長を求める考えを示しました。
 知事は夕方のニュース番組『ニュースパークKSB』に岡山県庁から生中継で出演し、今後の県独自の施策やワクチン接種の見通しなどについて、キャスターからの質問に答えました。

緊急事態宣言の期間延長を要請した理由

(Q.岡山県の緊急事態宣言は31日までとなっていますが、26日、国に延長を要請するとおっしゃっていました。どういう理由からなのでしょうか?そして、いつまでを想定されていますか?)

 今の岡山県は、最悪の時と比べると新規感染者数は下がってきているものの、未だにこのレベル。非常に高い状態が続いています。
 また、この病床使用率、これも大変高い水準で高止まりをしているということで、とても宣言を解除できるような状態ではないということは、この毎日の国との連絡の中でもお伝えをしているところです。
 (緊急事態宣言の)実際の期間については、国に任せをせざるを得ないのです。けれども、最低2週間はしないと、とても収まらないと思っています。

現在の岡山県の感染者数

(松木キャスター)
 県の今の状況を見ていきます。5月に入ってからの岡山県での感染者数は、緊急事態宣言が出た16日以降も100人を超える日が続いていましたが、5月23日には27日ぶりに200人を下回り、現在はもう少し減っている状況です。
 しかし、26日までの1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は31.90人で、全国で6番目に高い数字です。

(Q.知事はこの現状をどう見ていますか?)

 2通りの見方があろうかと思います。一番ひどい時、岡山県の(1週間の人口10万人当たりの新規感染者数の)数字は60を超えていました。それからすれば半分になったとも言えますし、ステージ3と4の境目が25であることを考えれば、ここまで下がってもまだまだステージ4ということで、大変厳しい状況であることに変わりはありません。もっともっと下げて行かなければいけませんし、それをしなければ病床使用率も下がりません。

緊急事態宣言の延長について、街の声は―

 28日には政府から緊急事態宣言を延長するのかどうか、正式な判断が出されるとみられていますが、飲食店や街の人はどう捉えているのでしょうか?

【VTR】

(夫婦で美容室を経営している人は―)
「自営してる飲食店とかうちも含めてですけど、そういう人たちにとっては長引けば長引くほどきついので、ワクチンを広めたりとかそういうことしてもらって、早く収束してほしい」

(会社員は―)
「テレワークって人が減らされてますんでね。会社によるものの負担というのが増えてくると思うんですけど」

(子育てをしている母親は―)
「支援センターもちょっと怖いので全然行ってなくて、遊び場はちょっと少ないから困るなと思うんですけど、安全のことを考えたら延びた方がいい」

 5月1日から休業している岡山市北区の日本料理店です。

(日本料理 きく井/菊井光紀 代表)
「基本、新規の予約のお電話はないし、あっても予約の方のキャンセルという形。経営的にも精神的にもきつい部分はあります」

 周辺の飲食店からも先行きを不安視する声が聞かれると話します。

(日本料理 きく井/菊井光紀 代表)
「会社の経営が継続していけないって、周りの飲食店の方と話をすると聞くので、来月やめようかって思っていたのが、1カ月延びるか延びないかぐらいの話はよく聞いています。不安しか募ってこない」

【VTR終わり】

店舗への補償など……具体的な策は?

(松木キャスター)
 この他、大規模施設に対しては平日には時短要請、そして土日は休業要請を出しています。
 現在、土日に休業している施設ではテナントへの調整を行っていますが、複数のテナントからは「雇用や事業の維持のために営業したい」という要望がありました。

(Q.今後宣言が延長された場合、『休業を続けるのは苦しいのでテナントへの補償を手厚くして欲しい』や、『休業ではなくて、時短に緩和してほしい』という声が出ています。具体的な策というのは何か考えていますか?)

 いろいろな声を聞かせていただきました。本当にお店や会社は大変だと思いますし、県民の皆さんにもご不便お掛けしております。
 今回緊急事態宣言になった時に、岡山県は6週間連続でどんどん感染が増えていたので、最大限、国よりも厳しい措置をしました。大規模店の休業というのは本当に厳しい措置ですので、なかなか長続きできることではないということを分かった上で、無理なお願いをしています。ただ、あまり早くこの宣言を終えてしまうとリバウンドということがありますので、基本的には国の標準スタイルの措置を6月以降していくことになるのかなと考えているところです。

(Q.バランスを見ながらということになると思いますが、『県独自の支援策』というのは何か考えていますか?)

 今、そのための予算組み等も検討をしているところです。緊急事態措置をしていることで、いろいろな企業やお店にダメージを与えていますので、それを見ながら、どういう支援が必要なのか考えていかなければいけないと思っています。

(Q.国に財政支援を求めようと思っていますか?)

 絶対に必要です。今の緊急事態措置を続けるためだけでも、今の岡山県の財政能力を超えていますので、国にはしっかりとした支援をこれまで求めてきましたし、(今後も)求めていこうと思っています。

27日から「一時待機所」を本格稼働

(松木キャスター)
 ここからは医療の面について見ていきます。
 岡山県の病床使用率は5月19日時点で84.5パーセント。これは全国的に見てもかなり高いですが、解除の目安となるステージ3になるためには50パーセントを下回らなくてはいけません。

(Q.この現状をどう見ますか?何か対策は考えていますか?)

 大変厳しい状況です。つい数日前、それぞれの病院に無理をお願いしまして、病床70床を増やしたところですけれども、だからといって急激に使用率が下がっているわけではありません。また、入院前の一時待機所を27日から本格稼働させます。とにかくできることは何でもやるつもりで、今対策をとっています。

緊急事態宣言の期限について、医療現場の声は―

【VTR】

(岡山県医師会/松山正春 会長)
「もう少し延長して、また爆発的な感染が起こらないようにしてほしい。長ければ長いほどいいと思っています。ただ経済のこともありますから、せめて2週間は必要かなと」

 延長した場合でも、解除する際には段階的にしてほしいと訴えます。

(岡山県医師会/松山正春 会長)
「解除されるとすぐゼロというところからは少し慎重に。まん延防止(等重点措置)で、岡山県全体というところを、患者の発生が多いところとか、そういうところに(適用)していく」

【VTR終わり】

収束の鍵を握る「ワクチンの打ち手」について

(松木キャスター)
 岡山県の医療従事者のワクチン接種率をみると、26日までに2回目の接種を終えているのは全体の52.7パーセントです。ほぼ半数がまだ終わっていないということで、県は25日、医療従事者などを対象にした接種会場を2カ所設けるとしました。

(Q.6月中旬から接種を始めるということですが、『打ち手』の確保の方策というのはどのように考えていますか?)

 県独自の大規模接種会場をつくったというのも、当面の打ち手を増やすという対策の一つです。ワクチン接種も、これがもう本当にゲームチェンジャーで、いかに早く打っていくかということなんですけれども、そのボトルネックは週ごとによって違います。
 これまでの一番のボトルネックは、そもそもワクチンが県に届いていないということです。6月に入ってからは(ワクチンが)大量にきます。次のボトルネックが打ち手、いつかそれが会場とかいうことになります。それぞれの週のボトルネックをいかに解消していくか、考えていきたいと思っています。

(Q.医師や看護師以外の打ち手の確保については考えていますか?)

 日本は打ち手という点では非常に制約の強い国です。県とすれば、その制約の中で何ができるのか、いろいろなことを考えていきたいと思っています。

(Q.今後、ワクチンの接種をどんどん進めていって、少しずつ皆さんに抗体がついていけばいいなというふうに思いますが、今回宣言が延長されれば、私たちの生活はさらに人との接触を減らすことなどが求められると思います。私たちは今後どのように過ごしていけばいいと思われますか?)

 基本的にお願いすることはこれまでと変わりません。基本の徹底をお願いしたいと言うことなんです。ワクチンは6月から大量に来ます。これまで時間が掛かっていたのが、ずいぶんスピードが上がっていきます。ぜひ、ワクチンを打つまでにコロナウイルスにかかるようなことがないよう、あと数カ月、皆さん頑張っていきたいと思います。特にこの宣言、あと数週間、全力で感染を抑えていきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

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