防災の話題をお伝えする「こつこつ防災」。
今回は最近耳にすることが多くなっている「線状降水帯」についてです。近年の豪雨災害につながっている「線状降水帯」についての情報を気象庁は17日からリアルタイムに発表します。どのようなものなのか改めて見ていきます。
「線状降水帯」による大雨の危機感を伝える
激しい雨が同じ地域で数時間にわたって続く「線状降水帯」。気象庁は6月17日、この「線状降水帯」の発生を知らせる取り組みを始めます。
(高松地方気象台/中平昭彦 防災気象官)
「毎年のように線状降水帯による顕著な大雨が発生して、数多くの甚大な災害が発生している。『線状降水帯』による大雨の危機感をお伝えしていくということがあります」
この情報は「顕著な大雨に関する気象情報」として都道府県の地方ごとに発表します。「線状降水帯」による大雨が確認されたエリアは楕円(だえん)で表示されます。
「線状降水帯」の定義は?
「線状降水帯」は、連続して発生した積乱雲が列をなし、同じ地域に雨が長く降る現象です。気象庁は「線状に延びる長さが50キロから300キロ、幅は20キロから50キロ程度の強い降水を伴う雨域」と定義しています。
ただし、「線状降水帯」が発生していなくても大きな災害が発生するケースもあります。
2018年の西日本豪雨では福岡県や長崎県、広島県、兵庫県、愛媛県などでは線状降水帯は発生したとされていますが、岡山県の場合、気象庁が定める線状降水帯には当てはまりませんでした。
(高松地方気象台/中平昭彦 防災気象官)
「岡山県の場合は、長く降り続いた雨というのが大きな要因となっております。甚大な災害を引き起こすのは線状降水帯による大雨だけではないことをご留意いただけたらと」
河川に関する情報も8日から変更
また、8日から河川に関する情報も変わっています。国が管理する河川ではこれまで3時間先まで水位の予測が出ていましたが、これが6時間先まで延長されます。これによって、少しでも早い避難につなげることが狙いです。岡山県では高梁川、小田川、旭川など、香川県は土器川が対象です。
梅雨の終わりごろは豪雨のリスクが特に高まります。2021年は梅雨入りが大幅に早かったため、梅雨の終わりもいつもより早まるとみられています。今から大雨に備えて側溝や排水溝の掃除、土のうの準備などを進めてください。