香川県議会議員と元議員21人が選挙区内の団体に「意見交換会費」などの名目で政務活動費を支出したのは公職選挙法違反の疑いがあるとして、市民団体が高松地検に告発状を提出しました。
市民オンブズ香川の植田真紀代表と渡辺智子事務局長が14日午前、高松地検を訪れ告発状を提出しました。
告発状によりますと香川県議会議員20人と元県議1人は、2018年7月から2020年3月までの間、それぞれの選挙区内の自治会や趣味の会、祭りの実行委員会などに対し、「意見交換会費」などの名目で政務活動費から2424件、合わせて約1600万円を支出しています。
これが選挙区内での「寄付行為」を禁じた公職選挙法に違反する疑いがあるとしています。
(記者リポート)
「今回、告発状の提出に至るきっかけになったのは、東京地検特捜部が菅原一秀元経済産業大臣を公職選挙法違反の罪で略式起訴したことです」
菅原元大臣は、選挙区内の個人や団体に香典やご祝儀として約80万円相当の違法な寄付をした罪で6月8日、略式起訴されました。
地元の祭りなどで町内会に現金を配ったケースもありました。
(市民オンブズ香川/植田真紀 代表)
「(県議らが)地元の自治会、お祭りに5000円、1万円を配っているというところでは構図としては(菅原元大臣の事件と)同じではないかと思います」
毎年公開されている政務活動費の収支報告書を分析している市民オンブズ香川によると、多くの議員が自ら作成した領収書を会合などに持参しています。
こちらの議員は「県政に関する意見交換会会費として」という但し書きで、祭りの当日、実行委員会などに5000円を支払っています。
また、2020年1月1日に7件の「自治会総会」に、会費として5000円や1万円を支払った議員もいます。
(市民オンブズ香川/植田真紀 代表)
「1月1日に意見交換会が行われることはどう考えても考えられないことで、初詣で地元の人たちを世話してるところにお金を持っていったというふうに通常考えられるのではないかと思います」
市民オンブズ香川は2013年度の県議の政務活動費に違法な支出があるとして返還を求める裁判も起こしています。
2021年4月、高松地裁は「意見交換会費」名目の支出のほぼ全てにあたる約1590万円について、会費を求められていなかったり政務活動との合理的関連性がないと推認されたりするなどとして「違法だ」と認定しました。
裁判で県議らは「議会の政務活動費マニュアルで認められた支出だ」と主張していて、被告の香川県が控訴しています。
香川県議会の十河直議長は2021年4月の就任会見で「意見交換会費」について……
(香川県議会/十河直 議長)
「各種団体会費や会合参加費は社会通念上、認められる範囲での費用負担であると考えており、これらが認められないことは残念であると考えております」
市民オンブズ香川では2020年度分の支出についても6月下旬に収支報告書が公開され次第、追加で提出する予定です。