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江戸時代から受け継がれる“粋”な技 「撫川うちわ」で楽しく涼を 岡山

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 中国地方は梅雨明けし、いよいよ本格的な夏がやってきました。2021年の夏は、粋な「うちわ」を手元に置いて楽しく涼をとってみてはいかがでしょうか?

 江戸時代から受け継がれている岡山県の郷土伝統的工芸品「撫川(なつかわ)うちわ」。

(記者リポート)
「大きく扇ぐとふわっとした風がきますし、手首でさわさわとやると繊細な風がきますし。竹のしなやかさですかね、顔に当たる風がやさしくて気持ちがいいです」

 現在、うちわ作りの技を受け継いでいるのは保存会のメンバーです。

 うちわ作りは全ての工程が手作業で根気のいる仕事です。撫川うちわの特徴は「すかし」。光にかざすと絵が浮かび上がります。

 「すかし」作りはまず透かせる部分を切り抜き、色がついた薄い和紙を貼り付けます。

(保存会「三杉堂」作家/石原中山さん[83])
「光にかざすと見事に映えますでしょう。ホタルなんかでしたら光を透かしてますね。ホタルが生きてくるでしょう。透かすところも間違えたら絵が死んでしまいますね」

うちわに隠された「歌」

 もう一つの特徴は、うちわに隠れた歌「歌継ぎ」です。扇面に一筆書きで書かれた粋な仕掛けです。

 「歌継ぎ」を作るには、きれいに文字を切り取る熟練の技が必要です。

(保存会「三杉堂」作家/石原中山さん[83])
「前へ前へ押して切るわけです。突き切りゆうてあんまり抜かずに続けて、そうするとこの線がきれいにギザギザにならずにいくから字がはっきり出るわけですね」

 うちわの柄と骨には足守川周辺の女竹が使われます。竹を割り64本の骨を作ります。そして糸で編み、形を整えていきます。

 後世に伝えたい郷土の宝です。

(保存会「三杉堂」会長/平松龍四郎さん[80])
「一番の苦労は後継者育成。これをもって生計を立てることが難しい。古い工芸品の歴史をどこまで一生懸命保っていけるかが大きな課題になります」

 撫川うちわは、岡山市表町の「晴れの国おかやま館」や保存会で販売しています。

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