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「八朔だんご馬」をJR丸亀駅に展示 子どもの健やかな成長願う 香川

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 香川県の中讃・西讃地方の風習で、子どもの健やかな成長を願って飾る「八朔だんご馬」がJR丸亀駅にお目見えしました。

 例年はこの時期に実演制作を行っていましたが、新型コロナの影響で2021年は展示のみとなりました。

(荻津尚輝リポート)
「こちらが八朔だんご馬。前足を大きく出している姿は躍動感があります! よく見ると……筋肉も表現されていてリアルです!」

 JR丸亀駅に展示された八朔だんご馬は、「1斗馬」と呼ばれる最も大きなサイズで、高さ約1.2メートル、重さは約30キロあります。

 香川県の中讃・西讃地方では旧暦の8月1日「八朔」の日に、男の子の健やかな成長を願って米やもち米で作った「だんご馬」を家に飾る風習があります。

(駅の利用者は―)
「やっぱり懐かしいな(張り子の)虎も買って飾った」
「5月の子どもの日にするものだと思っていました。今これ見て、あ!違ったと思って。ちょっと衝撃でした」

 丸亀市観光協会はこの伝統を多くの人に知ってもらおうと、例年は保育園児を招くなどして丸亀城などで実演制作を披露してきましたが、2021年は新型コロナの感染拡大を防ぐため展示のみとなりました。

 展示の約1時間半前、丸亀市土居町にある1905年創業の中野餅屋で八朔だんご馬づくりが行われていました。

 中野餅屋は、普段赤飯や餅を作っています。地域に伝わる伝統を絶やさないよう、毎年この時期にはだんご馬の注文を受け付け、観光協会に展示用の材料を提供しています。

 馬の形に仕上げるのは、50年以上だんご馬づくりに携わっている岡雅久さん(70)。

(岡雅久さん)
「大変ですね。これだけなったらね、やっぱり体力も使いますし。休まずに(作業)せんと冷えるから。冷えたら固くなるから餅やから」

 米粉と餅粉で作られた餅を、骨組みに手際よく付けていきます。岡さんによると、かつては家庭に置いて盛大に祝っていた八朔だんご馬の伝統は年々薄れてきているそうです。

(岡雅久さん)
「核家族化してますやん。だから大きい団子持ち帰って飾ろうかという家がなくなった。寂しいですね、僕らにしたら。中讃にこんな風習があるんだということをね、知ってもらいたいですね」

 八朔だんご馬は9月11日までJR丸亀駅に展示されます。

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