その美しい花からは少しギャップを感じる気の毒な名前をもらった植物をご紹介します。野山や街なかで花の時期を迎えている「ヘクソカズラ」です。
岡山県南区でやぶを覆っているつり鐘形の白い花。「ヘクソカズラ」の花の内側はルビーのような美しさです。艶やかで思わず見とれてしまいますが……。
(記者リポート)
「マスクの上からでもなかなか強烈」
葉や茎に傷をつけると悪臭を放つ特徴により、なんだか気の毒な名前がついています。
ヘクソカズラの花は夏から秋にかけ、全国の野山や線路沿いのフェンスなど街なかでも至る所で見ることができます。
ところで、ヘクソカズラは別名「ヤイトバナ」とも呼ばれています。
逆さまにして皮膚の上に乗せると、まるで灸をすえたように見えるためです。
花の後につく黄色い実はリースの材料などにも使われます。昔の人は丈夫なツルで薪をしばったともいわれており、古くから人に身近な植物だったようです。