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【解説】新型コロナ禍の行動制限緩和に「期待と不安」 私たちの生活はどう変わる?

 自粛が続いている日常生活が変わるかもしれません。

 政府は、緊急事態宣言が出ていてもワクチン接種が完了するなどしていれば県をまたぐ移動ができるなどといった行動制限の緩和策を、2021年11月に出そうとしています。観光業界では割引プランを検討するなど歓迎ムードですが、不安の声も聞かれました。

緩和策に期待するホテル

(ホテルグランヴィア岡山 宿泊部/西川尚文 部長)
「県境をまたいでお客さまに来ていただいても安全に受け入れができるように」

 JR岡山駅に隣接するホテルグランヴィア岡山では、消毒と検温が同時にできる機器を導入するなどして感染対策を強化しています。

 新型コロナの影響で、9月の宿泊客は新型コロナ前と比べ6割ほど減少しました。そうした中、あるプランを打ち出し好調です。

(ホテルグランヴィア岡山 宿泊部/西川尚文 部長)
「ワクチン接種証を見せていただきましたらお得なプランがご利用できるように9月1日から販売していますが、100件を超えるご予約をいただいています」

 ワクチン接種済みの証明書を提示すれば無償で部屋をグレードアップするプランを9月から販売しています。(2名1室 1泊1人 税込み6900円~)

 新型コロナ前は首都圏からのお客が多くを占めていましたが、現在は地元がメインに。11月の行動制限緩和策に期待を寄せています。

(ホテルグランヴィア岡山 宿泊部/西川尚文 部長)
「11月というのは、通常でいうとオンシーズン(繁忙期)であります。きっかけとして、多くの方が安心安全に県境をまたいで岡山に来ていただける。大いに歓迎したいと思っています」

 ホテルの直営レストランでは、ワクチン接種証明書を提示すると15%割引するキャンペーンを行っています。

 ホテルグランヴィア岡山では緩和策に合わせて、県外のお客を呼び込むための宿泊プランやレストランの利用プランを検討中です。

期待と不安…専門家の見解がほしい

 一方、真庭市の湯原温泉にある露天風呂「砂湯」は、まん延防止等重点措置により9月末まで休業するなど影響が続いています。

 湯原温泉では新型コロナ前には年間12万人が宿泊していましたが、現在は半分ほどに減っています。

(湯原町旅館協同組合/高橋忠孝 理事長)
「この連休(シルバーウィーク)が都会からの県をまたいでの移動といいますか、連休は控えてくださいって国の発表もあったようなのですので、きのうも何件かキャンセルが入っております」

 緩和策には期待を寄せる一方で、感染が広がらないか不安も感じています。

(湯原町旅館協同組合/高橋忠孝 理事長)
「1日でも早く通常に戻っていただきたい気持ちはありながら、そういった部分の不安を、いっぺんに緩和するのがいいのか、徐々にの方が良いのかというところですよね。専門家の方がこれで大丈夫ですよっていうのがいただければ」

行動制限の緩和で何が変わる?

 政府が11月にも出そうとしている行動の制限を緩める案で、私たちの暮らしはどう変わるのでしょうか。

 ワクチン接種を済ませた証明書やPCR検査などの陰性証明書があれば、飲食では、営業時間や酒類の提供、会食の人数制限などが緩和されます。そして県をまたぐ旅行や出張などの移動が可能に。

 イベントでは、人数制限を緩和したり、大学などの部活動や課外活動はできるようになります。

 緊急事態宣言が出ていてもこれらを可能にしようという案です。

ワクチン接種率の動向は

 岡山県での接種率は14日時点で51.34%、香川県では15日時点で50%となっています。

 政府は11月にも行動制限を緩和しようという考えですが、11月にはどれぐらいの接種率になるのか。政府の予防接種ワクチン分科会のメンバーである川崎医科大学の中野教授は、70~80%ぐらいまで上がるのではないかとみています。

 しかし、行動制限を緩和して感染は拡大しないのか、などといった不安の声も聞かれます。中野教授に見解を聞きました。

(川崎医科大学 小児科学/中野貴司 教授)
「このような暮らしが1年半以上にわたって続いて、おそらく全体の社会経済活動の観点からも、私たち人間の心理の観点からも、ずっと継続していくことはかなり難しいことだと思うんですよね。ある程度の制限解除を考えていくにはいい時期ではないかと思います」

 緩和策を肯定する背景にあるのは、やはりワクチンの接種率です。

(川崎医科大学 小児科学/中野貴司 教授)
「全体の接種率が上がってきているということは、他人に感染させるリスクも、自分がうつるリスクも、一定頻度に減ってきていることは事実だと思うんです」

 しかし、緩和する上で「ある条件」が必要だと考えています。

(川崎医科大学 小児科学/中野貴司 教授)
「感染対策は並行して継続していく、一定のことは継続していく必要があると思っています。『ある程度制限が解除されても継続してくださいね』というポイントもつくっておかなければいけないと思います」

十分な感染症対策を行うことが大前提

 中野教授は、マスクや手指消毒などの感染症対策を十分に行うことを大前提にした上で緩和してほしいと求めています。

 その上で、ワクチン接種により免疫がどれぐらい持続するのか、追加接種が必要なのかを分析して、新型コロナと共存していく方法を模索していく必要があるとしています。

 11月をめどに行動制限が緩和されるかもしれませんが、再び行動を制限しないといけない事態を避けるために、1人1人が気を緩めないことが求められるのではないかと感じます。

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