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いろんな個性が集まる場所に…障害がある子どもの利用に対応 ストレスフリーな美容室 岡山市

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 1月、岡山市にオープンした美容室が、障害がある子どもを持つ親から人気を集めています。

「子どもと母親に寄り添う」接客でおもてなし

 入口にはスロープがあり、店内も車いすやストレッチャーのお客さんが利用しやすいバリアフリー仕様です。音に敏感な子どもに配慮した防音室やキッズスペースなども備えている、美容室「Tsumiki」。

 この日は発達障害がある男の子がお母さんとやってきました。

(ヘアカットの様子)
母親「バリカンは音が……」
スタッフ「バリカンは嫌い?」
子ども「嫌い」
スタッフ「分かった、バリカンはしないよ」

 発達障害などがある子どもたちは、「髪の毛を触られるのが嫌」「ハサミの音が嫌い」など、苦手もさまざま。2人の美容師は親と打ち合わせて苦手な部分を触らないようにしたり、音の出ないハサミを使ったりして、子どもの「嫌」を減らします。

 1人は介護福祉士の資格も持っていて、もう1人はダウン症の子を持つ母親です。自身の経験を生かして「子どもと親に寄り添う」接客を心掛けています。

(介護福祉士の資格も持つ美容師)
「本当はもうちょっと切りたいけど、これ以上やると本当に嫌となるから、そこの加減を見極めながらやってます」

(ダウン症の子を持つ美容師)
「こういう所が困るよねとか、そういう話をするだけでもお母さんはほっとするというか、1人じゃないんだなと思われてる感じが」

 無事にヘアカットが終わりました。

(息子と訪れた母親は―)
「なかなか家では切れないし、お店でも切れない子だったんで。スタッフの方があったかく見守ってくださるから、嫌な顔せず、こちらも気が楽になった」

「困りごと」がオープンのきっかけに

 美容室「Tsumiki」はなぜ生まれたのか。きっかけは店長の津﨑あきほさん(39)が抱えていた困りごとでした。津﨑さんの6歳の息子はダウン症で、重度の知的障害があります。

(Tsumiki/津﨑あきほ 店長)
「音も嫌いだし触られるのが嫌、うちの子は。自宅でやると人手が足りないし、寝てる間に切るとか、プロと時間を取って切ってもらうのは安心できますよね」

 美容室の店舗設計などを手がける倉敷市の企業が「美容室が苦手な人向けの店」を作ろうとしていることを知り、アドバイザーとしてお店作りに協力しました。

 例えば、ヘアカットの流れを絵で説明する「視覚支援カード」。津﨑さんが自宅で息子とコミュニケーションを取る時に使っているものをヒントにしたそうです。

いろんな人が触れ合える場所に

 今は障害がある子どもの来店が中心ですが、体が不自由な高齢者などさまざまな人に利用してほしいといいます。

(Tsumiki/津﨑あきほ 店長)
「障害のあるなしに関係なくいろんな方に来ていただいて、触れ合えるような場所になったら」

 店名の「Tsumiki」には「さまざまな形の積み木が組み合わさるように、いろいろな個性の人が集まる場所」という思いが込められています。詳しくは店舗(電話番号:086-728-5790)に問い合わせてください。

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