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【解説】悩む保護者…5~11歳の子どもへのワクチン接種どうする?〈新型コロナ〉

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 今回は5歳から11歳の子どもへのワクチン接種について考えます。岡山県では全市町村が今週中にも接種券を発送し、岡山市は11日から、そのほかの自治体も来週から接種を受けられます。香川県では多度津町が3月4日、高松市では8日に接種が始まりました。

 子どもへの接種を巡っては接種券が届いても実際に打つかどうか悩んでいる保護者が多いようです。

5~11歳のワクチン接種始まる

(接種を悩んでいる/5歳児の保護者)
「接種して副作用がどうっていうのも聞いてはないですけど安心できるものでもないような気がして。ちょっとまだ迷っている段階ですね」

(受けさせない/5歳児の保護者)
「私自身ワクチン副反応があったので子どもが同じ思いをするならかわいそうだなって部分が多いのでワクチンは考えてない。今のところこの年では考えてないです」

 高松市のクリニック「いまいこどもファミリークリニック」では、9日に10人の子どもたちが新型コロナワクチンの接種を受けました。

(接種を受けた子ども[10歳])
「テレビで見たときに、私と同じくらいの子が泣いていなくて、注射もすんなり終わったような気がしたから」

(接種を受けた子ども[11歳])
「友達とはソーシャルディスタンスって言われとるけん、(接種を受けたら)もっと遊べるかなとか」

(保護者[子ども8歳・11歳])
「重症化がちょっと怖いなと思って。あと祖父母も近くにいるので無症状のまま感染させたときとかが怖いなと」

(保護者[子ども8歳・9歳])
「学校でもクラスターが発生していますので、もしなったとしても治りが早いことを祈って早めに受けようと家族で決めて受けました」

 このクリニックでは1日に10人から20人ほどの接種枠を設けていますが、2週間先まで予約で埋まっているということです。

悩む保護者……それぞれの声

 保護者からもさまざまな声が上がっていました。KSBアプリで子どもにワクチン接種を受けさせたいか受けさせたくないかを聞いてみました。

 512人が回答した結果「受けさせたい」が約半数、「受けさせたくない」が1割ほどという結果になりました。

 これは5歳から11歳の子どもがいる人もいない人も含めた数字ですが、「子どもがいる人」に限るとその割合が変わります。「受けさせたい」は2割ほどにとどまり、「受けさせたくない」が3割、「わからない」が半数近くを占めました。

 子どもがいる人のうち、「受けさせたい」とした倉敷市の40代女性は「修学旅行とかなどあり県外に行く機会があるので不安を一つでも取り除くため」としています。

 「受けさせたくない」と回答した高松市の30代女性は「打つリスクと打たないリスクを考えると我が家では打たない方がいいという結論になった」とコメントしています。

 高梁市の40代女性のように判断を迷う要素としては「副反応」をあげる声が多く聞かれました。

子どもの副反応・効果は?

 子どものワクチン接種で想定される副反応について専門家に聞きました。政府の予防接種・ワクチン分科会のメンバーでもある川崎医科大学の中野教授は……

(川崎医科大学 小児科学/中野貴司 教授)
「子どもたちの副反応が必ずしも大人と比べて強い、頻度が高い、というわけではないと思います」

 アメリカの医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」によると、5歳から11歳の子どもがファイザー製のワクチンを2回接種した後の副反応は、倦怠感が最も多く39%、頭痛が28%、筋肉痛が12%、38℃以上の発熱は7%だということです。

(川崎医科大学 小児科学/中野貴司 教授)
「国内ではまだ打った後に何か特別大変なことが起こったということは現状では報告されていません」

 国内での副反応のデータもあります。愛知県の大口町は町の5歳から11歳の子ども18人に接種した後の副反応について公表しました。

 3月1日に1回目の接種を受け3日までに副反応があったのは18人中15人。このうち、接種部の痛みなどが14人、発熱は6人でした。他に倦怠感が2人、頭痛が2人だったということです。

 発熱については37.5℃未満の微熱だったものの、6人中4人は2日間発熱が続いたということです。

 そしてワクチンの効果については気になるデータがあります。

 それが「小さい子どもは時間が経つと予防効果が低下する」という調査結果です。アメリカ・ニューヨーク州の保健局が2月28日に発表したものです。

 ファイザー製ワクチンの接種を終えた5~17歳の子どもの感染を防ぐ効果を調べたところ、12~17歳では接種直後が66%、1カ月後は51%でした。

 一方、5~11歳では直後は68%だった予防効果が、1カ月後には12%と大幅に低下してしまいました。一体なぜこんなにも低下するのでしょうか。

子どもへの接種、保護者はどう判断?

(川崎医科大学 小児科学/中野貴司 教授)
「子どもの方が免疫力が弱いのかもしれない。もう一つはワクチンの量も大人に比べると成分量が3分の1です。接種直後はかなり予防効果があったとしても、だんだんと効果が落ちていくわけですけれども、オミクロン株の方が接種の効果が落ちていく速度が速いとされてます」

 一方で岡山・香川の学校や保育施設などでは依然として感染者が多く確認されています。中野教授はこうした状況を踏まえた上で接種するかどうかを各家庭で判断してほしいとしています。

(川崎医科大学 小児科学/中野貴司 教授)
「今も10歳未満の患者さんが非常に多いですよね。たくさん患者さんが出れば重症者の実数、重症化の頻度は低くても重症化する数自体は増える可能性があるわけなんです。予防の手段として一つの選択肢だと考えています」

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