さまざまな事情で学び直しを必要とする人たちを支援する「岡山自主夜間中学」が、4月から新たな学び舎で授業をスタートします。
20日、岡山自主夜間中学のボランティアスタッフや生徒が協力して、表町商店街の新校舎に荷物を運び込んだり、床を張り替えたりしました。
年齢や国籍を問わず、さまざまな事情で学び直しを必要とする人たちを受け入れている岡山自主夜間中学。現在は小中学生から80代まで269人の生徒が毎週土曜日、午後6時から学んでいます。
ボランティアスタッフが無償で読み書きや計算などを教える民間の夜間中学で、運営資金は、寄付や助成金などでまかなっています。
地方自治体が設置する公立の夜間中学は、岡山にはありません。
これまでは、岡山国際交流センターなどを活用して授業を行っていましたが、4月から、表町商店街にあるかばん店の3階を借りて、新校舎をかまえることになりました。
(岡山に夜間中学校をつくる会/城之内庸仁 代表)
「コロナ禍によって、使っている施設が閉鎖されていく。そして、臨時休校を何度も余儀なくされたということを考えた時に、これは一刻も早く何としても校舎を準備しないといけないと思いました」
(岡山自主夜間中学 生徒/井上健司さん)
「5年生の漢字なんですよ。2年生ぐらいの漢字から始めて今やっと5年生まできました」
井上健司さん(37)は、病気で入退院を繰り返し、不登校のまま義務教育を終えました。就職のために学び直したいと、岡山自主夜間中学に4年以上通っています。2021年の夏ごろからは、就労移行支援を受け始め、学びへの思いを新たにしています。
(岡山自主夜間中学 生徒/井上健司さん)
「(就労移行支援で)読めない漢字があって、やばいなと思って、やっぱりもうちょっと勉強しないといけないなと思う。努力しかできないから、今は。頑張りたいと思います」
新校舎の開校式では代表として作文を読む予定です。
(岡山自主夜間中学 生徒/井上健司さん)
「スタッフや先生にありがとうと言いたい」
(岡山に夜間中学校をつくる会/城之内庸仁 代表)
「生徒さんの中には平日の授業がしたい、もっと学びたいという声をたくさんいただいていました。やっとの思いで新校舎を準備することができて、本当にうれしいです」
新校舎では、週に一度だった授業を平日にも行うことができます。
岡山自主夜間中学は、4月2日に開校式を行い、授業をスタートする予定です。